第37話

最悪→最高
1,161
2017/12/17 14:46

あれから、とぼとぼ歩いていたらいつの間にか家に着いてた。


どこを通ってきたかも覚えていない。







…だめだ、一人でいれる気がしない。
朱音
朱音
…お母さん、今日愛衣ちゃんの家でお泊まりしてくる!
愛衣ちゃんに会って話したい。

話を聞いてほしい。


お母さん
はーい、迷惑かけないようにねー

家族ぐるみで仲が良いから、突然のお泊まりも良くあること。


お泊まりセットを持って、歩いて10分かかる愛衣ちゃんの家に一人で向かった。
朱音
朱音
もう…真っ暗だなぁ。




冬の7時は結構暗い。




…ちょっと、怖いかも。



そう思って、小走りで愛衣ちゃんの家に向かっていった。





タッタッタッタッ




ん?



私の走るペースに合わせて、後ろから足音がする。



…こ、こわいっ!!!



次第に走るペースを早くしていった。



すると…後ろの足音も早くなっていく。


「気づいてるんでしょ?

お嬢ちゃん…僕のお家へ来ないかい?」

…は、っ話しかけられた…。



怖い。怖い。怖い。怖い。



足がガクガクして走るペースが落ちていく。



朱音
朱音
…つ、ついてこないでくださいっ!

「なんでそんなこというの~

従わないなら…殺しちゃうよ?」


…怖いっっ!!!



足がもつれてコケそうになる。


もう…ダメだ。






────その時。



修哉
修哉
んの、くそじじい。

きもいんだよ。
そう言って、後ろにいる不審者を蹴り飛ばしたのは…





修哉?
修哉
修哉
警察に通報しといた。

…大丈夫か?
今まで全然喋れてなかったのに…


こんな形で喋ることになるとは…
朱音
朱音
こ、怖かったよぉ…っひく…っ…


…安心して泣いてしまった。



それ以外にも泣く理由があった。
修哉
修哉
…大丈夫だ。俺がいる。
朱音
朱音
…っひく…嘘だ…っ絶交するって言ってたじゃん…ひくっ…

そうだよ…

たまたま危なかったから助けてくれただけで、本来なら全く会話をしないただのクラスメイト。
朱音
朱音
…私は…っ絶交なんかしたくなかったのに…ひくっ…
「恥ずかしい」って思われて…ごめんね…ひくっ…恥ずかしい幼馴染で…
修哉
修哉
…俺が悪かった。
勝手に嫉妬して、軽はずみなこと言っちゃって…。
絶交したいとか思ってないし、恥ずかしいなんて嘘。
自慢の…幼馴染だから。
ほんと、なの?

信じて、いいの?

また話せるの?




今の言葉で、恐怖心よりも喜びって気持ちが上回った。
朱音
朱音
…仲直り、でいい?
修哉
修哉
…おう。


こんな日が来ると、思ってなかった。



私にとって、最悪な日が、最高な日に変わった。



二重で嫌なことが続いたけど…もうあんまり気にしてないんだ。












だってね…









…あなたと仲直りできたからっ!

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