授業サボるなんて、初めてだな...。
これでも、無遅刻無欠席だからね〜
実は皆勤賞狙ってたんだけどなぁ...。
...最近の私、荒れてるなぁ...。
元凶は、司の浮気(?)だけど...
それは、私の行動に基づいての行為だから、結局は私のせい。
...何もかも、嫌になる。
こんなネガティブ思考になったのも、初めてだなぁ...。
「まだ、平塚が好きなんだろ?」
そんな司の言葉が脳裏から離れない。
「仲直りしたいだけであって、好きじゃないよ?」
...こう言えたら、どれだけ楽だろうか。
「朱音の中で、平塚はどのくらいの存在?」
って聞かれたら...
私は何て答えよう?
真っ先に浮かんできた言葉は、
“比べる対象がいないくらい大切な存在“
だった。
...そうだ、これが答えだ。
恋愛感情を抜いたって、変わりはしない答え。
司と修哉、どっちが好き?
なんて聞かれたら私は...
...っ最低だ。
最初から分かってた。
“修哉が幼馴染やめたことを後悔させたい“
喧嘩した日から、心でずっと思ってた。
私は...これに、司を利用したのかもしれない。
考えるだけで虫唾が走る。
自分が怖くて、嫌いでたまらない。
付き合ってる時は、そんな事を忘れちゃうくらい楽しかったのかもしれない。
...けど、喧嘩したくらいで嫌いになれるわけない。
...何も考えたくない。
いっそのこと、このままいなくなってしまおうかな。
───この後、私は夜になっても家に帰ることはなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。
登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。