というか...見たことある。
すごく見たことある。
直接この姿で会ったわけじゃないけど...
どこか知り合いに重なる部分がある。
すると、脳裏に一つの人物像が浮かんだ。
もしかして...
もしかすると...
修哉並に整っているのは、ある意味当たり前。
なぜなら...修哉のお兄ちゃんなんだから。
私の幼なじみ、修哉の実の兄。
───平塚灸人(やいと)くん。
修哉をかっこいいと言うなら、灸人くんはかわいいって感じ!
私とは8歳差だけど、年上ってことを感じさせない幼さがまたモテそう...
「大丈夫!」
...と言えたらどれだけ幸せだろうか。
大丈夫じゃない。
苦しい。
怖い。
辛い。
そんな感情が私を支配していく。
自分がいけないのに...
答えを出さないと、関係ない人まで巻き込んで傷つけてしまう。
...そう、分かっているのに
なかなか踏み出せない。
...拒絶されるのが、怖くて仕方がない。
……けれど、考えてみれば、それは向こうだって同じ。
というか、私よりこの気持ちを経験してるはず。
好きでいたつもりだった。
好きになりたかった。
好きだと思い込んだ。
けどそれは、拒絶されたショックを紛らわせてただけ。
本心は別にあった。
こっちも...そして、多分向こうも。
...ならいいじゃないか。
このまま終わりにしてしまえば。
...そう、考えることはできるになっ...
どうして一歩を踏み出せないんだろう...
灸人くん……ありがとうっ!
このお方、就職のために上京したらしいんだけど……
謎な再会だったけど、これからもっと賑やかになりそうです!
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!
転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。