第4話

過ぎゆく日々
990
2017/12/04 09:04
1年、2年…

時が経つのはとても早い。

私は6歳、シルクたちは12歳になっていた。

冬の、ある日のこと。
シルクロード
よぉ、あなた!
あなた

よぉ、シルク!笑

モトキ
こらこら笑
ザカオ
久しぶりだね。
最近どうしてたの?
あなた

あのねー、お引っ越しの準備で忙しいの。

シルクロード
え、引っ越し…?
あなた

うん!

来年度、小学校に入学する。

…のだが、学区の問題で引っ越しせざるを得なかったのだ。
シルクロード
どこに?
あなた

〇〇ってとこだよ!

ザカオ
あー、地区は変わんないんだ。
でもちょっと遠いよね?
モトキ
土手まで歩いてくるのは、ちょっと無理な距離だね…。
あなた

でもねー、3年生になったら来れるよ?
自転車使える!

私の住んでいる地域では、1人で自転車に乗れるのは小学3年生以上と決められていた。

そして新しい家から土手までは、歩くのは無理でも自転車なら来れる距離だった。
シルクロード
あと2年、かぁ…。
この時私は、2年なんてあっという間だと思っていた。

だって、シルクたちと出会ってからの2年間は本当に短かったから。
モトキ
いつ引っ越すの?
あなた

今日!
だから、みんなにバイバイだけしてきなさいってママに言われたの。

あなた

また2年後すぐここ来るよ!

私は笑って見せた。



モトキは寂しそうな顔で言った。絶対また遊ぼうな、って。

シルクは笑いながら、お前は妹みたいなもんだからな、そう言って頭を撫でた。

ザカオは、泣きそうな顔をして黙っていた。



そんな3人に手を振り、歩き出す。



2年後いつ、どこで会うか。

約束はしなかった。




だって、


























必ず会えるー。


























そんな気がしたから。

プリ小説オーディオドラマ