「はい?」
私はびっくりした。
『あの、えっと、春野さん、、この前は職員室の場所教えてくれてありがとうございました♪』
「え、あ、いえ、というか、もう名前覚えてくれてるんですね♪」
『まぁ、担任なんでそれくらいは♪』
(錦戸先生?ちょっといいですか??)
他の生徒が先生を呼んでいた。
『呼ばれてますよ!錦戸先生♪』
私は少し嬉しかった。名前まで覚えてくれて、声までかけてくれて、、、
「恋か…」
私は首を振り、「絶対ない!!」と言ってたところに、、
《お前、忙しいやつやなぁ、、大丈夫か?》
「大毅かぁ、もう、なに、、」
《なんやねん!声掛けだったのに!なんやさっきの浮かれた顔して錦戸と話して、好きなんか??》
「そんなんじゃないし!あーも!!」
《なんでそんなに怒ってんねん?》
「なんでもないから!もう!」
その様子を微笑ましく、錦戸先生が見ているなんて知らなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。