ギクッ
「ねぇ、遊びに行こ!」
「急に何…」
「いいから~!」
「ちょっ…!?」
何なのコイツ!?
「ねえ…手、離してください。」
「ヤダー」
「なんでよ!!」
「だって、離したら逃げるでしょ?」
「…」
逃げるでしょ普通!!マジ何なのよ!!
「着いたー」
「…?公園?」
「うん!クレープ屋さんあるよ~」
「え、ちょっと」
「ねえねえ、嫌いな物ってある?」
「いや特に無いですけど…」
「クレープ2つ、イチゴクレープとバナナクレープで」
「はい、少しお待ちください!」
…
「おまたせしました!イチゴクレープとバナナクレープです」
「はい!イチゴクレープ!」
「!?あ、ありがとう…ございます…」
「あそこのベンチで座って食べよ!」
「美味しい?」
「え!うん…」
「良かった~(*´ω`*)」
なんだろう、この人っていい人なの…かな…?
「あなたちゃんひと口ちょうだい!」
アムッ
「ェ!?!?」
「こっちも美味しいねぇ~♪あ、僕のもあげる」
「はい、あ〜ん」
「ええ!あ、あ〜ん」
「(ノ∀`*)ンフフ♪美味しい?」
「美味しい…」
「でしょ?」
この時、初めてこの人はいい人だと思った。
クレープを食べてる間私は無表情だったけど色々お話した。
初めて、男の子と喋って楽しいと思った。
「あ~食った食ったー」
「あ…のさ」
「クリーム付いてるよ」
「え?どこ」
「ほっぺに…」
「え~取れない~」
「o(*^▽^*)oあはっ♪反対だよ、こっち!」
『指で取って食べた』
「あ、ありがとう(//・_・//)カァ~ッ…」
「?」
「あなたちゃん、やっぱり可愛いね!」
「は、はあ!?」
「笑った顔初めて見た!」
「…」
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。