前の話
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麗華side
「キャハハ!汚なぁい!」
「ホントホント!まぁあんたにはお似合いか!!アハハ!」
そう言って彼女達は笑う。
そう私は今汚い。
彼女達…いいや、彼女達の支配下にいる者達からバケツに水の入ったものをかけられた。
それも雑巾を絞った水。
「…」
どうでもいい…私はそう思いながら下を向いた。
彼女達の顔なんて見なくていい
私にはとても強い味方がいる。
そう思った瞬間だ。
バシャ…
何の音だろうと皆一方を見る。
そこには私をいじめた彼女達に水をかける一人の男子がいた。
「汚っ…汚いから俺に近寄んないで?」
「!?ま、真冬くん!?」
あ、来た…私の主…
心から嬉しかった。
「麗華、立てる?」
「…はい」
私は彼のものだ。
それは昔から決まっていること。
「麗華、保健室へ行こう。濡れたままだと風邪をひく。」
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。