( Keito Side )
山ちゃんに連れられてきたカフェに入ると
一人の女の子に声をかけた
その子はこっちを見て小さく礼をした
『あなたです』
「岡本圭人です」
俺が言うとあなたちゃんはふわっと笑った
あ、山ちゃんの好きそうなタイプ
なんとなく気がする惚れる理由が。
涼「よし、行こう」
『どこのカフェ行くんですか?』
圭「俺が最近見つけたところ」と言うと
『美味しいんだろうな~』と遠くを見つめる
涼「ねぇ知ってる?」
後ろを歩いてた山ちゃんが
俺とあなたちゃんとの間を割って来た
『豆しばみたいに聞かないで(笑)可愛いけども』
圭「豆しば(笑)で、何?」
涼「何話そうとしたっけ?(笑)」
笑うと記憶が飛んだ、らしい
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。