「はぁっ…っ…すいません…セフレとか、んっ、作る気がないんです、」
私がそう言うと、マサトさんはくぐもった顔をした。
「どうして?」
当然の質問。でも、よく聞かれることだから、私は返答に迷うことがなかった。
「知らない人に抱かれて、快感に溺れてる時間が、生きてるって感じられる唯一の時間だから。」
「…へぇ。そんなこと言った子、てか、そんな理由でセックスヤってる子、初めて見た。」
マサトさんはそう言うと、ならしょうがないね、と呟いて、
「じゃあ、今この時間を大切にするよ。」
私の目を見て、確かにそう言って、そそり立った自身を私に挿れてきた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!