「テスト返すぞー」
いよいよテスト返し...今までで1番手応えあるし!
きっと大丈夫...
「あなたー」
う...そ...
「惜しかったな。あと2点だ。」
98点...?
じゃあ先生との約束は...無効だ。
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「自分でどこ間違えたのか見直して、
受験ではミスないようになー」
テストを見直す時間も、
私は点数を見たくなくて机に伏せていた。
「おい、寝んなよ」
そう言って、先生は教科書で私の頭をつつく。
『ほっといて』
こもった私の声にため息をつきながら、
先生は机の上に紙を置き、また教室を巡回し始めた。
なにこれ?
そこには、「I L U 2」とだけ書かれていた_
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!