そして迎えた追試当日。
≫ガラガラガラ≪
『失礼しまーす...』
!!
もう1人いる!!
「お前も追試の人?」
『うん!そう!all赤点でさー...』
「は?バカだろお前。」
『へ?』
ま、まって、この人も追試なんだよね?
「あ、俺はテスト休んでて受けてないだけだから。俺もアホの仲間に入れないでね」
何この人... 超ムカつくんですけど...!
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鬱陶しい口調のあいつは、花澤大雅 ( はなざわたいが ) 特進クラスらしい。
≫キーンコーンカーンコーン≪
ふー今日の分終わり。もうさっさと帰って明日の対策でもしよっと。
「お前解けた?」
『まあなんとか。私は数学の問題解けるようにするので帰ります、じゃあ。』
「俺が教えてやるよ。」
『は?』
「数学は誰かに教えてもらった方がやりやすい。ほら。ここ座れよ」
まあ特進クラスの言うことだし。私1人じゃ多分解けないし。頼ってみるか...
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!