『すごい...!解けたよ!』
「ほんとだ。よかったな」
『さっすが特進クラス。花澤のおかげだよー』
「いや俺この問題何も教えてないし。あなたの力だろ。」
えっ...いきなり呼び捨て...?
「私の名字しってる?』
「知ってるけど。」
なんか。不覚にもキュンとしちゃった自分が。
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そして迎えた追試2日目。クリスマス。
きっと、花澤が教えてくれた公式使えば解ける...!
..........
『終わったー!なんかすごい手応えある!』
「それはそれは。」
『でももう18:00かー。クリスマス。何もできずあっという間に終わっちゃったな』
「まだ18:00だろ?」
『え?』
「いくぞ。」
そして私は花澤に腕を引っ張られ、そのまま昇降口を出た。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。