第9話

君の気持ち
59
2017/12/08 10:35
12月20日。クリスマスイブまで5日をきりました。
君は元気ですか?
私は謎を3つもらったきり、君とは会っていない。
あなた

んが ぁあ!?

謎は3つだ!
私が解いたのは2つで、忘れてた!
確か1つ目の謎は“クリスマスの朝は、みんなが幸せ?”
これはそのままの意味?



…幸せなんじゃない?
だって枕元にはプレゼントが!
そして綺麗なツリーに、
家族!
幸せなこと、この上なし!
まてよ…じゃあ両親がいない君は家族と過ごせない…?
まったく…
何?
誰?どこ?
ここ、公園だけど、まわりには人いないし…。
あんたの両親本当におかしいんじゃないの?
え?
あ。
すぐ後ろにあるボロボロの家から聞こえる声だとわかった。
この家、人が住んでたんだ。ボロボロで、小さくて古いお家…。
お父さんとお母さんは悪くない。
あなた

え!

つい大きな声を出してしまい、すぐに口を手でふさいだ。
だって、今の声は「君」の声だったもん。
じゃあそれはなんなの?
…見えた!
君の後ろ姿が、今にも落ちそうなふちのついた窓から見えた。
そこは2階なので、頭しか見えない。
窓は開いているようだった。
…触らないで。
あなたは私の子なの!
なんで私がこんな子の面倒を。
…はい?
あの人は、君のお母さん?
本当の親?
好きで養子にしたんじゃないのに。はぁぁぁ。
ああ、君の両親が亡くなったから、この人が君を引き取ったんだ。
君を養子にした人
とにかくそれを見せて。
ぃやだ。
おかしいよ。
いくらなんでも酷くない?
君の後ろ姿が大きくなった。
迫られるから、後ずさりしてるんだ。
あなた

あ。

君がとっさに開いた窓に手を出して、白い何かを落とした。
何も持ってないから。
白い何かはひらひらと宙を舞い、風になびいてこっちに落ちてきた。
君を養子にした人
嘘言わないで。
ふわり。
私の手のひらには、白い小さな紙切れが乗っていた。


中にはこう書いてあった。
『1人にしないで。

誰もいないの。

会いたい。

心から願うから。

ここにはいないんだ、

心から願ってくれる人が。

誰を頼ればいいか、

誰を愛せばいいか、

わからない。


だからさ、

会おうよ。

迎えに来て。

輝く目印で待ってるから、

1番近くで待ってるから。

そうすればもう2度と1人にならない。


待ってるよ。』

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