12月20日。クリスマスイブまで5日をきりました。
君は元気ですか?
私は謎を3つもらったきり、君とは会っていない。
謎は3つだ!
私が解いたのは2つで、忘れてた!
確か1つ目の謎は“クリスマスの朝は、みんなが幸せ?”
これはそのままの意味?
…幸せなんじゃない?
だって枕元にはプレゼントが!
そして綺麗なツリーに、
家族!
幸せなこと、この上なし!
まてよ…じゃあ両親がいない君は家族と過ごせない…?
何?
誰?どこ?
ここ、公園だけど、まわりには人いないし…。
え?
あ。
すぐ後ろにあるボロボロの家から聞こえる声だとわかった。
この家、人が住んでたんだ。ボロボロで、小さくて古いお家…。
つい大きな声を出してしまい、すぐに口を手でふさいだ。
だって、今の声は「君」の声だったもん。
…見えた!
君の後ろ姿が、今にも落ちそうなふちのついた窓から見えた。
そこは2階なので、頭しか見えない。
窓は開いているようだった。
…はい?
あの人は、君のお母さん?
本当の親?
ああ、君の両親が亡くなったから、この人が君を引き取ったんだ。
おかしいよ。
いくらなんでも酷くない?
君の後ろ姿が大きくなった。
迫られるから、後ずさりしてるんだ。
君がとっさに開いた窓に手を出して、白い何かを落とした。
白い何かはひらひらと宙を舞い、風になびいてこっちに落ちてきた。
ふわり。
私の手のひらには、白い小さな紙切れが乗っていた。
中にはこう書いてあった。
『1人にしないで。
誰もいないの。
会いたい。
心から願うから。
ここにはいないんだ、
心から願ってくれる人が。
誰を頼ればいいか、
誰を愛せばいいか、
わからない。
だからさ、
会おうよ。
迎えに来て。
輝く目印で待ってるから、
1番近くで待ってるから。
そうすればもう2度と1人にならない。
待ってるよ。』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!