私にできることは、君の自殺を止めること。
そして、生きる力を取り戻してもらえるようにすること。
このツリーの下で、日が沈むのを待てばいい。
君が来るのを待てばいい。
そう、今日はクリスマスイブ。
彼女達はツリーの周りをぐるぐるしながら歩いていた。
人多いなぁ。
待てよ。
たくさん人いるよ?
君は、どうやって、、自殺するんだ?
『輝く目印で待ってるから、
1番近くで待ってるから。』
確かそう書いてあったから、
ツリーの下で…
いやいやいや。
ツリーの下に居ればいいんなら私、とっくに命ないじゃん!
君はどうするつもりなの?
“カチッ
近くで誰かの腕時計が時を刻む。
どんどん時間がたって、どんどん暗くなってゆく。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!