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第1話

1.ヒミツ
1,524
2017/11/30 08:45
ある日。
ちさと
あんー!
理科のテスト何点だった?
となりの席のちさとちゃんが、
目を輝かせながら聞いてくる。
私は“本田 杏”、中学1年生。
勉強も運動もそこそこの、普通ガール。
あん
なっ、ななじゅうさんてん…。
たくやは?
後ろの席に座ってる、たくやに聞いてみる。
たくや
俺も、73点…。
たくやは私にテストを向け、
残念そうな顔をしている。
こちらはクラスメイトの“本田卓也”。
たくや
えぇっ?また一緒かよ〜
たくやは、口を開けながら返されたテストを見ている。
ちさと
っていうかさ…
?????
ちさとちゃんはそう言うと、
私とやくやのテストをバッと取った。
ちさと
カンニングを疑うレベルで、
回答まったく同じだね〜
ちさとちゃんが、私とたくやのテストを
片手ずつに持ちと見比べている。
あん
そんなわけあるかっ!
たくや
そんなわけあるかっ!
2人同時に声をあげた。
ちさと
ほ〜ら息ぴったりじゃん!
たくやとは入学してから、
すぐに意気投合したんだ!
名字はおんなじだけど、双子ではない…。
たくや
カンニングしてるとしたら、杏だから。俺はしてませ〜ん。
たくやは、私を睨みつけた。
あん
なんだと〜!?!?
私は、たくやをポコポコ叩く。
クラスメイトA
アイツらマジで似てるよな〜。
クラスメイトB
ホントは双子なんじゃない?
“ぎゃはははは”
クラスメイトの友達が
ふざけたように言った。
あん
なっ!?たくやと双子とか…
絶対ヤダからっ!
それにそれにっ!
ちさと
それに?
ちさとちゃんが、つぶらな瞳で
私の顔を覗いてくる。
それにっ…。
双子だったら“結婚”できないじゃんっ!
なんて言えるわけでもなく。
あん
なっなんでもない…。
たくや
なんだよそれ〜
たくやがくしゃっとした笑顔を見せた。
たくやと似ているのは、
きっとたくやが運命の相手だからだよ!
みんなにはヒミツだけど、
たくやに片思い中です♡
素直に“好き”って言えればいいなぁ…

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