プリ小説

第2話

悲劇
───本日、12月23日。


クリスマス・イヴの前日。


「…かーっ!ついにこの日が来たー!」
起きて早々、爆発した寝癖を付けた髪を振り回し、ガッツポーズをする少女。
少女の名は、城島真穂(じょうしま まほ)。
中学3年生の、絶賛受験生である。
「お姉ちゃん…朝からうるさいよ…」
不意に部屋に入ってくる男児。
「悠良〜!今日やっと友達と遊べるんだよぉ〜!」
「いてて、痛いよお姉ちゃんんん」
真穂が6歳下の弟の悠良(ゆら)をギュッと抱き締めた為、悠良は少し苦しむ。
「てゆーか受験生なのに良いの?遊んで」
「少しくらい良いでしょー?もーストレス溜まってやってらんないわ」
真穂はそう言うと、早速パジャマを脱ぎ着替え始める。
と、悠良が気まずそうに口を開いた。
「…お姉ちゃん、明日の約束…覚えてる?」
「当たり前じゃない!だからわざわざイヴじゃなくて今日遊ぶ事にしたんだから」
そう言い、真穂は悠良の頭をコツンと突いた。
「えへへ」
「父さんと母さんにもずっと言われてたんだもの、忘れるわけないよ」
悠良は嬉しそうに笑い、真穂に抱き付く。
幸せな空間を彩る様に、窓の外は雪が降り始めた。





この時は、思いもしなかった。
まさか、この後、あんな事になるなんて───





「…悠良?」

その日の夜。
真穂は帰宅した。
明日の、弟との約束もあり、上機嫌で帰った。



───が、現実は残酷なものだ。


玄関の前には、壮絶を絶するモノがあった。



金髪の、見知らぬ男に首を捕まれ───

「悠良…?」

力無く頭から生々しい血を流している弟の姿。






「─────────!!」








聖なる夜。

それは時として、奇跡も、悲劇も起こす。

シェア&お気に入りしよう!

この作品をお気に入りに追加して、更新通知を受け取ろう!

よろしくお願いします