プリ小説

第8話

微かな違和感
「やっほー」
「おー、久しぶり」

こうして、毎年クリスマス・イヴに会話を交えるのが当たり前になってきた真穂と聖夜。

昼間はずっと話をする。
時には恋愛。
時には失恋。
時には冗談。
時には家族。
会話をする事で、2人の笑顔は増えていく。
夜は餓鬼を退治していく。
協力して、2人は息が合っていく。

互いの成長した姿を見て、時には見惚れたり、驚いたり…。

1年に1日ずつ、2人の距離は縮んでいった。



真穂が一人暮らしをする事になっても、聖夜は必ずイヴに現れた。



そんなこんなで、真穂は20歳になった。
毎年毎年イヴが待ち遠しくて堪らなかった。

「───よぉ」
「聖夜!」

今年もまた、聖夜がやってくる。
窓から、沢山の輝きを抱えて───

が、今年は少し違った。
どことなく、聖夜の表情が暗い。
「…どうしたの?」
渋々訊ねる真穂。
聖夜はハッと我に返ると、真穂を見た。
「あれ!?真穂!1年ぶり…俺いつの間にここに居た?」
「いつの間にって…さっきの間に」
「そっか…わりーな、なんか記憶吹っ飛んでた。」
「大丈夫?最近疲れてるの?」
当然の如く茶を出す真穂。
「かもな」
そしてそれを飲み干す聖夜。
毎年見ていた光景。



だが今年は、何か少し違った。

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