プリ小説

第11話

悪夢
今年は、今までとは何か違う。



真穂は、夢の中であの聖夜と会っていた。

不気味な笑みを浮かべる、聖夜と。



「貴方は…何なの?」
真穂はその聖夜を見据えた。
その聖夜は無表情のまま、真穂に一歩一歩近付く。
氷の様な、無表情。
「ひ…」
刹那、その聖夜は真穂の横を通り過ぎた。
真穂の背後に回ってその聖夜。
不意に冷たい風が舞う。
その風は真穂の肌をするり、と撫でた。
「…聖なる夜」
その聖夜は口を開く。
冷たい声色。
「…え?」
「お前は、あの男をどう思う」
「あの男…って…聖夜の事?」
その聖夜は静かに頷く。
「どう…って…」
夢の中でも、真剣に考えてしまう真穂。
「毎年…会える、大切な人…かな」
こしてその聖夜をじっと見る。
「…そうか」
その聖夜は少し切なげな表情を見せた。
「…で、貴方は何なの?」
真穂が問う。
その聖夜は真穂を正面から見た。
「俺は…」



瞬間、風が音をかき消した。

その聖夜の言葉が、真穂の耳には届かなかった。

「あ…」

その聖夜は最後に真穂の首を掴むと


首筋を噛んだ。





(痛…!!)


その痛みと共に、真穂は覚醒した。
視界には、いつもの自分の部屋の光景が広がる。
1つ違うのは、隣でぐっすりと聖夜が寝ている事。
(夢…にしては、妙にハッキリしてた…)
真穂はベッドから出、鏡を見た。

「!!」




首筋には、噛まれた跡があった。

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