プリ小説

第19話

闇へのカウントダウン
「ブラック…サンタ…?」
「ああ。サンタクロースとは対照的で、人々に不幸を与える存在…そして、餓鬼を操る」
「餓鬼を…!?」
不敵に笑う、その男───ブラックサンタ。
「おいおい、俺にはちゃんとしたアサヤって名前があるんだからよ、名前で呼んでくれよ」
「知るか」
ブラックサンタ───アサヤは軽いジャンプでベッドを飛び越すと、聖夜と真穂の前に立った。
「さてと…今夜、遂に俺の願いが叶う日でね」
「…は?」
「その女に協力してもらわなくちゃならねェんだ」
真穂は聖夜に寄る。
「ハハッ…その首筋の跡。」
「!!」
真穂は慌てて首筋の跡を手で隠す。
「首筋の…!?」
「なんだ、サンタクロース。お前知らなかったのか」
「真穂、どうして言ってくれなかったんだ…!」
真穂は潤む瞳で必死に訴える。
「だ、だって…!!」

───言えない。

夢で、餓鬼聖夜に付けられただなんて。

言ったら、きっと聖夜は知る事になってしまう。

自分が、死んでいると───。

「さぁ、女、来い」
アサヤが手を差し出す。
「真穂で何をするつもりだ!?」
「お前に教える必要は無い」
アサヤがマントの中から液体を取り出した。
それを一滴、床に垂らす。

途端、床から岩が生まれた。
その岩は聖夜の手足を掴み、固定する。
「な…」
身動きが取れない。
「さてと、邪魔者はこれで良し」
アサヤは真穂に寄った。
「来ないで…」
真穂は急いでポンチョを掴み、中から拳銃を取り出した。
アサヤの心臓部目掛け、トリガーを引く。
───鈴の音の銃声が鳴り響く。
が、アサヤはその弾丸を素手で止めた。
「嘘!?」
「さぁ来い、城島真穂」
じりじりと真穂に寄るアサヤ。
「やめろ、ブラックサンタ!!」
聖夜は動けない。
「い、嫌───!!」
真穂は思わずアサヤの頬目掛けて右ストレートが出る。
…が、その手は捕まれ、逆に引き寄せられてしまう。
「あ…」
恐怖が、真穂の中で駆け巡る。
痛みと共に首筋の跡が高熱を帯びる。
その激痛と、迫る恐怖に耐え切れず、真穂は気を失ってしまう。
「…ククク…」
アサヤは真穂を引き寄せ、窓の外へと飛び出した。
「真穂ッ!!」
聖夜は火事場の馬鹿力で無理矢理岩を引き剥がした。
…が、間に合わなかった。

「真穂───!!」

悲痛な叫びが、イヴの夕焼けに染みた。

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