プリ小説

第21話

恐怖
「───あ…」
目の前に広がるのは、頭から血を流している弟・悠良と、それを掴む金髪の男の姿。
男は悠良を地に叩き落とした。
「これ、は…」
あの時の───。
真穂は悠良に駆け寄った。
頭から鮮血がどくどくと流れる。
「ゆ、悠良…」
真穂は悠良に触れようとした。
と、ドアのガラスに映る自分を見て驚く。

───あの頃の姿に戻っている。

そして急いで首筋の跡を見る。
首筋の跡はあるままだった。
(ど、どういう事なの…私、どうしちゃったの)
辺りを見る。
(ブラックサンタにこの幻覚を見せられている…の?)
困惑のあまり、その場に座り込む。


───次の瞬間、金髪の男に首を掴まれた。
(!!)
そして宙に持ち上げられる。
(く、苦し…)
金髪の男が何かを話した。
が、何故かその声は真穂の耳に届かない。
(音が…無い!?)
それだけでは無い。
徐々に視界が灰色に───色が、無くなっていく。
(何、何なの!?)
真穂は必死に足掻いた。
だが男に地に降ろされると、その牙を首筋に向けられる。
(何…何なの…!?)
幻のハズに、やけに感覚がある。
(だ…大丈夫よ…ここで聖夜が来るハズなんだから…)
───が。
来る気配は一向に無い。
(嘘…)
男の牙が真穂の首筋に───首筋の跡に当たった。

そして、そこに喰らい付く。

「─────ッ!!」
声にならない程の激痛が走る。
首筋の跡は徐々に熱を帯び、痛みも増していく。
「ッ…ああああああああああああ」
痛みに悶え、真穂は蹲る。
地に生える草を握る。
(な────!?)
すると、どうした事だろうか───
次第に草が枯れていく。
それだけでは無い。
景色が、闇に包まれ、溶けていく。
(な、何が…!?)
と、真穂の脚を何かが掴む。
「あ───」

真穂の脚を掴んだ
ソレは、










今まで消滅させてきた餓鬼の、血塗れの手。

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