プリ小説

第24話

聖夜の真実①
少し遡り、日が暮れる頃。



もう1人の自分が目の前に現れた時は、驚いた。

だが、直ぐに聖夜の脳内に過去の記憶がフラッシュバックした。
電撃が走る。
「あ…」



12月24日。
讃多聖夜の、15歳の誕生日。
その日は、友達と遊んでいた。
いつもは18時に帰宅するのを、その日は、19時に帰ってしまった。
(怒られるかなぁ)
そう心配し、聖夜は自転車を漕ぐスピードを上げる。
視界はとっくに暗く、自転車のライトをつけても辺りがよく見えなかった。
(急がねぇと───)

と、突如ライトに照らされた道に現れたのは、1匹の猫。

(危ねぇ!!)
聖夜は轢くまいと、思わずハンドルを右に傾ける。
車道の中央まで乗り出したが、何とか猫は轢かずに済んだ。
(良かったぁ…)



安堵したのも、束の間。



前方から、勢い良く大型トラックが走ってくる。
クラクションが鳴り響く。

(あ─────)





次の瞬間、聖夜の意識は無かった。





(あれ?俺───)

次に聖夜が目を覚ました時、そこは空の上だった。
(えっ!?俺、何で飛んでんの!?)
気付けば赤いマントを羽織り、白の装飾を纏い、赤い帽子を深く被っている。
(な、な、何だ、この格好!?)
慌てて宙で足掻く。
と、視界に映ったのは、同じ格好をした人間達。
(…ん?)
その人間達の会話を聖夜はこっそり盗み聞く。

───そっちは餓鬼、どうだ?
───いや、いつも通りさ
───サンタ、クロースも忙しいよなぁ
───あー。でもその分夢を届けてるから良いだろ

(サンタクロース…)
今一度自分の格好を見直す。



(俺、サンタクロースになっちゃったのか!?)

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