プリ小説

第25話

聖夜の真実②
(すげぇ、俺、サンタクロースになったんだ!!)

同じ出で立ちをした人間達の話を盗み聞き、聖夜は夜の空に舞い上がった。
サンタクロースや、餓鬼の事を大方理解し、そのまま餓鬼退治へと身を投じて行った。

その時には、もう聖夜は事故の事を忘れていた。

気付けば、家族の事さえ、忘れてた。

自らの誕生日さえ、忘れてた。



死んだ事さえ。



クリスマス以外の日は、聖夜は普通の生活をしていた。

───なんてのは、改竄された記憶。
正式には、聖夜はずっと廃墟と化した教会で眠っていた。

それと入れ違うように、餓鬼聖夜は活動していた。
死んでも、まさか肉体が死んだ事に気付いていないとは思わなかった。
人間の幸福を貪り喰らい、離れた肉体を見付けようと探し続けた。

餓鬼聖夜は、元はサンタクロースの聖夜と同じ様に明るかった。
───が、自らが幸福を喰らった事で廃人と化していく人間を見ていくうちに、心が荒んで来た。


死人故に、歳を取らないのは当たり前で、サンタクロースの聖夜はずっと15歳の姿のままだった。

そして、10年が経った、運命のイヴ。
聖夜は真穂と出会った。


──"生きるのを諦めたら駄目だぞ!"──


まるで、気付かぬうちに叶わなくなっていた自分の願いを託す様な言の葉を放って。


聖夜は真穂と出会ってから、成長を再開させた。
同時に餓鬼聖夜も成長を再開させた。


真穂と関わる事で、聖夜はその生命エネルギーを無意識のうちに吸収してしまっていた。
それ故に成長出来たのだろう───

そして、毎年会って、2人は絆を深めていった。

そしてそれは、餓鬼聖夜の目にも付く事になった。

聖夜が真穂と話しているのを見た餓鬼聖夜は、大変驚いた。
(何故、サンタクロースが人間と…)
そして同じくしてそれを見ていたのが、ブラックサンタ───アサヤである。
(おもしれえな、あの女…サンタクロースと知り合い、か…)

そして、アサヤと餓鬼聖夜は出会った。


餓鬼聖夜は、肉体である聖夜を取り戻す為に、真穂に近付き、首筋に跡を付けた。
そしてその跡を使い、アサヤは真穂をオーディンにしようと図っている。
そして漸く、餓鬼聖夜と聖夜は出会い───





「俺───死んでた…?」
聖夜はフラッシュバックに驚きを隠せない。
「…受け入れろ」
「そ、そんな…」
震えが止まらない。
───そしてその震えを止める様に、餓鬼聖夜は聖夜の心臓部に手を当てた。
「大丈夫だ」

「すぐに楽にしてやる」

心臓部から手を肉体の中へと滑らせ、そして聖夜の身体を自らの中へと吸収していく───



そして、餓鬼聖夜と聖夜は、



一体化した。

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