プリ小説

第32話

第四幕
「───あ…」
サンタクロースの聖夜は、餓鬼聖夜の肉体で目覚めた。
「…真穂…」
視界に映る、オーディンと化した真穂を見て驚愕する。
オーディンはまた次の街へと羽ばたく。
(ごめんな、真穂…)
聖夜はその後を追った。

「…ん?」
追い掛けてくる聖夜に違和感を覚え、アサヤが振り返る。
そしてその表情を見るなり、険しい顔付きになった。
「───サンタクロース…何故餓鬼の聖夜を押し退けた」
「押し退けたんじゃぁ無ェぜ、やっと本当に戻ったんだ」
聖夜は赤いマントを羽織る。
「つーわけで、よくも俺を利用して真穂をあんなんにさせやがったな」
そして中から拳銃を出し、構える。
「俺は今から、異形の、餓鬼のサンタクロースだ」
「へぇ…強化復活ねぇ」
アサヤも拳銃を取り出す。
瞬間、聖夜はアサヤの上へと舞い上がった。


「覚悟しやがれ!」



「第四幕か」
オーディンは聖剣を構えた。
「血飛沫も良い」
聖剣から鎌鼬を起こす。
それは風に乗り、人間達を切り裂いてゆく。
その度に鮮血が舞い、街を赤黒く染める。
「愚か者の血は醜いな」
もう一振り、鎌鼬を起こす。
今度は身体を切断する程の威力だった。
迸る鮮血。
バラバラになってゆく人間達。
肉片が、内臓にが飛び散り、街は地獄絵図と化す。

「もう少し美しい血が見たかったものだ」
オーディンは少し残念そうに聖剣を下ろす。
「さて、次は───」

「させねぇぞ!!」

オーディンの聖剣を、聖夜の弾丸が弾いた。
「何───?」
聖剣は音を立てて、地獄絵図の地へ落ちる。
「貴様、折角の…!!」
アサヤが苛立ち、聖夜の腕を撃ち抜こうとする。
だが聖夜はそれを軽く躱すと、オーディンの元へと飛び寄った。
そして腹の底から叫ぶ。





「───真穂!!」

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