プリ小説

第35話

誕生秘話
オーディンは、語り始めた。



───我は、死神の神。怒り狂う者。

故に他の神からも恐れられ、独りで居た。
無論、我も自分から好んで独りになっていた。

我は地球の生命が好きだった。
緑溢れ、互いを喰らいながらも互いが居ないと生存を保てない、強い様で弱い様な、面白い生命。

そこで我は、素晴らしい生命に何か贈り物をしたかった。
だが、我は肉体が無い為地球に行けない。
そこで、幸福の配達者を創った。
我が良いと思った生命に、年に一度その配達者に幸福を渡させた。
この配達者が、今呼ばれるサンタクロースである。
我はサンタクロースは基本サンタと呼ばれる配達者と、クロースと呼ばれる守護者で形成した。

人類が誕生してからは、サンタクロースと関わった者や死んだと知らぬ哀しき者もサンタクロースにするようにした。
だが、それが少し間違いだった。
我は、当初は我が"善良だ"と思った生命にのみ幸福を贈る様にしていたのだ。
───だが一部のサンタクロースがその命令を聞かず、生きとし生ける者に、善悪関係無く幸福を贈っていったのだ。
これは習慣化してしまい、どの世代のサンタクロースにも現れる事になってしまった。

我は見兼ねて、幸福を運ぶサンタクロースに対する者を創った。
───それが、ブラックサンタ。
我が"愚かだ"と思った生命に罰を与える存在。
数も少なく、イレギュラーな存在。
その能力もあり、言わば、餓鬼の先駆けとなった存在だ。

そして、餓鬼は自然と生まれた。
そこで我はブラックサンタに餓鬼も利用する様に命じた。
餓鬼は人類が居る限り居なくなる事は無いであろう哀しき存在。
なら利用するまで。

人類は、時代を重ねる事に愚かしくなっていった。
必ず争いを起こす。
必ず犠牲が生まれる。
我の認める善良な者は激減した。
仕方なく子供にのみ幸福を与える事にした。
だがその幸福さえ愚かな者に奪われてしまう。
我は怒った。
そこで、我は1つの生命の肉体を器とする事で、地球に降り立った。
そして聖なる夜に、裁きを下す。
愚かな者達に。

人類など、欲に塗れた醜い者が大半だ。
何故、この美しい生命が溢れていた地球を壊すのだ。
自然を、動物を、植物を、壊すのだ。
───そんな愚かな行為をする者は、それ相応の地獄を視るが良い。





それが、聖なる夜の真実だ。

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