プリ小説

第38話

細工
「真の目的───だと?」
オーディンはアサヤを睨んだ。
「ああ、そうさ。」
アサヤは愉快に笑う。
「は、我にこの最高の器を与え、愚かな人類に裁きを下すのがお前の目的だろう」
「それもそうだが、裁きを下すのはアンタじゃない」
「何?」
アサヤは真穂の首筋の紋章に触れた。


「俺だよ」


途端に、真穂の紋章が左側に侵食する。
「な…」
恐るべきスピードで、オーディンを喰らい始める。
「な、何が、起こってるの…」
真穂は自分の左側で起きている事に理解が出来なかった。
「何をしてるんだ、ブラックサンタ!!」
「何、か…言うならば」
紋章がオーディンを喰らい尽くす。

「オーディンの力を、正式にこの女のモノにする」

「な、何言って…」
「そうだぞ、ブラックサンタよ。この紋章がこうして我を表面上で喰らったとしても、力はこの器のモノに出来るワケが無かろう」
オーディンは紋章の下で高らかに笑った。
「それは、従来の器での話だろ」
アサヤの、その言葉にオーディンの笑いが止まる。
「この女は、少し違う」
「な───」
「この女に恐怖体験をさせた時かな」
真穂が思い出し、震える。
あの、恐怖体験。
幻とは言え、妙にリアルだった。
「あれは幻じゃ無ェな」
「───な、何言っ…」
慌てる真穂。
「俺がお前の身体に細工した事を気付かない様に、心情を脳裏に映させただけさ」

───細工───?

「ま、待ってよ、細工って、どういう事───」
真穂が混乱する。
聖夜の表情が険しくなる。
「言葉の通りさ」

「お前の身体を、人形にした」










聖なる夜。

それは時として、奇跡も、悲劇も起こす。

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