プリ小説

第41話

手段
「───!!」
アサヤの放った弾丸は、聖夜の心臓部に一直線に飛んできた。
(やべぇ…!!)
咄嗟に身を翻すも、その弾丸は右腕に直撃。
傷口から勢い良く鮮血が吹き出す。
「───ッ…てぇ…」
どくどくと、布を伝い血が染み、止まない。
「チッ、外したか」
アサヤは舌打ちするも、すぐに真穂の元に寄る。
「今はお前の相手をするより、この女をオーディンとして俺のモノにする方が大切なんでね」
「テメェ!!」
聖夜は左手で拳銃を構えた。
が、右腕の痛みに耐え切れず拳銃を落としてしまう。
「ちくしょう…」


アサヤは真穂の紋章に手を当てた。
身体の左側はその紋章の茨に覆われ、右側は力無く項垂れている。
「もうそろそろだ───」
アサヤは頬の傷に手を当てる。
忌々しい、過去の記憶が蘇る。
「…」

それが、一瞬の隙となった。

「真穂ッ!!」
素早い動きで聖夜が真穂の身体を抱え、アサヤから離す。
だがそれと同時に衝撃が走り、右腕から更に血が流れ出た。
「ち…くしょう…」
「馬鹿め。自殺行為をしたな」
「いや…それだけじゃないぜ」
聖夜はニヤリと笑う。
「何」
アサヤは目を丸くした。
右側の真穂の身体が動き出した。
アサヤの意思と関係無く。
「馬鹿な…既に俺の血で、人形に───」
「それと同じ方法を使わせてもらったぜ」
聖夜はニッ、と笑い、牙を見せる。
その牙からは自らの血が滴り落ちていた。
「オーディンが言ってたよな。ブラックサンタは餓鬼の先駆けになった存在だってよ」
「サンタクロースのお前が───」
「忘れてねェか?」
聖夜は得意気に笑う。



「俺は、半分餓鬼なんだぜ!」

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