プリ小説

第46話

終幕─クリスマスプレゼント─
「真穂、良かったのか」
天空から、地を見下ろす聖夜。
───と、真穂。
「うん。良いの」
2人の姿は、初めて出会った頃に戻っていた。
1つ、真穂の左側がオーディンになっている事を除いて。


聖なる夜。
2人はあの光の中で、時間を巻き戻した。
初めて出会った頃に。
そして、真穂はオーディンの力を使い、自らとアサヤの人生を代えたのだ。
15歳の頃から。
故に城島家の家族にはもう真穂という長女は居らず、代わりに浅夜という長男が存在する事になる───


「これで、アサヤは家族の暖かさを知れる…これが、アイツへの私のクリスマスプレゼント」
「でも、やっぱお前が…弟クンだって───」
「良いの!」
聖夜の言葉を、ピシャリと止める真穂。
「良いの…私はもう、充分幸せだから」
アサヤが、嘗ての自分の家族と笑っている事を確認すると、聖夜を見据えた。

「聖夜、私は、貴方と居るだけで充分幸せ」

「真穂…」
聖夜は真穂に寄った。
「それに!半分オーディンになっちゃったからには、毎年イヴに確り人間を見極めないとね」
右手で、左肩をぽん、と叩く。
「私、そんなにヤワじゃないんだから」
「───ああ…にしてもお前、よく会って1日のアサヤに自分の人生をあげれたな…」
「うん…なんかね、放っておけなかったというか…ね」
真穂はえへへ、と笑う。
「放っておけなかった…か…真穂らしいな」
「うん…でも…」
真穂は少し言葉に詰まった。
聖夜は静かに真穂を見詰める。
「だから───これからも、ずっと───」


真穂は驚いて口を止めた。
真穂の右手には、聖夜の唇が優しく重ねられていた。


「───へへっ、これは、俺からのクリスマスプレゼント!」
聖夜は笑うと、照れた様で、そのまま地上を見直した。
「…うん、ありがとう、聖夜…!」
真穂は、そのまま聖夜に寄り添った。





聖なる夜。

それは、奇跡起こす。

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