葵くんの休憩時間の8時ぐらいになると、葵くんとの会話が始まる。
【プルルル】
いつもはLINEのメッセージだけなのに、なぜか今日は電話がかかってきた。
私は、どうせ悠也でしょ。と思ってだらだらと携帯を見た。
すると、葵くんの名前があった。
葵くんの声が直接耳に入ってくるのがドキドキした。
年齢は葵くんの方が1歳上なだけなのに、何故か大人っぽい。
ドキドキした。
デートに誘われたのかと思った。
でも、確か土曜日は、久しぶりに悠也と遊びに行く予定があった。
そして、手帳を確かめると、やっぱり書いてあった。
でも、断りたくない私は、1度電話を切った。
【プルルル】
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。