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第8話

重々しい心の音
ガラガラっとドアを開けて教室に入る。


「あ…おはよー。」


そこには既にクラスメートの古賀雄太(こがゆうた)がいた。


「あ、はよっ。

あれ、あなた来んの早くね?」


彼は黒板の上についている時計を見ながらそう言った。


時計の針は7時45分を差そうとしているところだった。


「んー、なんか5時くらいに目が覚めちゃってさぁ〜…

家にいても暇だったから来ちゃった」


私はそう言いながら一番前の廊下側にある自分の机にカバンを置き、すぐ横の壁についている電気のスイッチを押した。


「あ、ありがと。」


「んーっ。」


私は雄太に対して生返事をして椅子に座る。


「…。」


やっぱ、こんな早く学校に来るんじゃなかったな…


男子と二人きりの教室って、気まずい。


斜め後ろの席の雄太の方をちらっと見ると机に座ってスマホをいじっていた。


そして私の視線に気づいたのか、顔を上げた。


「ん?」


え。


“ん?”って言われても…


何してるか確認しただけなんだけど…


まぁ、


「雄太って、いっつもこんな時間に登校してんの?」


気になることは無くもないよね。


私が一番乗りだと思ってドア開けたらいるんだもん、びっくりした。


「あぁ、大体そーかな。

オレ電車通でさ、時間限られてんだよ。」


「へぇ〜…そんなにローカルなとこに住んでるの?」


通学に使う電車の時間のせいでこんな朝早くに来なきゃいけないって、どんな田舎に住んでるんだか…。


「割とね。

3時間かけて来てるから!」


「えっ!」


さ、3時間!?


遠っ!


「凄いねぇ、よくそんな毎日通おうと思うじゃん。」


「あははっ、まぁねーっ」


絶対無理。


だってこの時間に来て3時間かかってるんでしょー?


ってことは何時起き?


毎日、4時とか??


絶対無理!


5時でも早起きって感じる私にはできない生活だぁ。


「じゃー、部活して帰ったら帰り何時になるのー?」


「んまぁ、部活終わんのが6時だから…電車の時間とかもあって家着くのは9時半かな。」


ひぇーっ!


「え、ホント、スゴイネ…」


「ははっ、なんで片言なんだよっ」


雄太が歯を見せて笑う。


っ。


??


なぜか、心臓がギュッと掴まれたかのように痛くなった。


…?


あ…


そっか…


なんとなく思い当たった。


そーいえば、柊真はこんな風に明るい笑顔を私に見せたことあったっけ?


ドクンッ。


私の胸は重々しく鳴った。