第18話

意地っ張り
905
2017/12/11 08:54
「ううーっ」


…分かってる。


柊真は悪くないことくらい。


部活が入っちゃったんだもん。


仕方ない。


仕方ない。


自分に言い聞かせる。


ブーッ。


スマホが鳴る。


LINEだ。


雄太から…。


【クリスマス会の参加、あとあなただけなんだけど!

ま、彼氏さんとのデートがあるんだろ〜…

来ないってことでいいですかー??

早めに返信求む!( `△´)】


あ…。


クリスマス会…。


そーいえばクラスの投票、私まだしてなかった。


…クリスマス会、か。


てか、彼氏さんとのデートとか何気に刺さる…。


【予定なくなった。】


雄太にそう返信する。


すると、すぐに既読が付いた。


【え、え?】


【デートは?】


ぐ…。


だーかーらー!


【無くなったんだってば!!!】


もー、悲しい事言わせないで!


【そか、じゃあ参加な?】


え。


そーなるの?


いいの?


【勝手にやればとか行けないと言っちゃったのに?】


行っていいの?


【は、別によくねw

つか、なんか他に予定あんの?】


【ない、けど…】


だって…


私、クリスマス会には行かないつもりで酷い事言ったのに…


【じゃー来いよ!

あなたがいた方が楽しいしさ!】


トクンッ。


私の胸の音が響く。


心がじわじわと温かくなる。


【うん。

仕方ないから行ってあげる!笑】


ごめんね、意地っ張りで。


仕方ないからとか、思ってないよ。


誘ってくれて嬉しいよ。


だけど雄太にそんなこと言うのは恥ずかしくて。


【よっしゃ💪✨

つーかなんでそんなに上から目線っ!】


【なんでって、来てほしーんでしょー?】


心にもないこと打っちゃって。


【あーはいはい、そーですよっ!】


「ふふっ」


雄太の優しさが心にしみる。


「…ありがと。」


雄太には通じてないと思うけど、ほんとに思ってること、“ありがとう”。


私は独り言のように口にした。


雄太、来て欲しいんだって、私に。


私がいると楽しいんだって。


なにそれ、私の事好きみたいじゃん。


なんてね。


ほんとは…


私の方が惹かれてるかも…。


なんてそんなの勘違い。


多分ね。

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