あれが私と上野先生の初会話
高校3年生にもなって初めてっておかしいような気もする
それは一旦置いておこう
それよりも目の前のことが先だ
最近、あの時から呼び出されてはさらに暴言を吐かれるようになった。
だから嫌だったんだ
私の近くに誰かがいると気に入らなくて陰で陰口を言われる
__あの上野先生なら特に尚更だ
バシャン!
地面に転がる『トイレ用』と書かれたバケツ
キャハハ…と笑うとその場から去っていく女子生徒
汚い
着替えなきゃ、拭かなきゃ
頭が思考停止し、軽くパニック状態になる
" 気持ち悪い "
吐きそうになるが口元を抑え耐える
なんで、、なんで、こんなことになるの?
授業開始のチャイムがなる
水をかぶったせいか寒さに襲われる
意識が遠抜く中誰かに話しかけられた気がした
誰でもいい
力を振り絞って声を出した
だけど、それ以上の記憶はなかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。