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第1話

エピソード1「懐かしい人、愛しい人」
外はめっきり寒くなった。
「明日は雪…かなあ…」
私はそういいながら職場に急ぐ。

…そういえば。あの時も雪が降っていたなあ。
私はいそいそと足を運びながらちょっと昔を思い出す。

あの時…3年前教え子の男の子と内緒の恋をしていた。
ぶっきらぼうで…今でいう「ツンデレ」の「ツン」だけのやつ。5人で路上で夜になるとパフォーマンスをしていた。
その日私は学校の夜の巡回で。それを口実に5人がいる所へ足を運ぶ。デビューは決まっていたからか…周りはファンの子達たくさん。遠くからみんなを見守る。
彼が歌い出した。まだ未完成な歌声は必死に思いを届けようと私にはヒシヒシ伝わってきて…私はその声に幾度となく涙が出てきた。

見上げる空は雪がキラキラと輝き降り注ぐ。
手を高く伸ばしてみる。この雪(宝石)が掴めたら…私は彼を生徒として見ていこう。
伸ばした手をそっと戻し、つむった目を開ける。
そこにはキラキラと輝く雪結晶が散りばめられていた。

…??!
「高岡くん?」
後ろからそっと抱きしめられた私は後ろを振り向かなくてもそれが誰か分かっていた。
「みこと今日も聴きに来てくれたんだ。」
「たまたま…巡回の日に重なったのよ。みんなみているから離して」
「…やだよ。離したくね。なんで他人行儀なんだよ。」
「高岡くん!」
私は自分の気持ちを押さえた。
「もう。LIVEおわり。みことが遠くで雪を掴もうと伸ばす仕草にどうしたらよいかわからなくなった…」

ダメだ。…この子達の未来を私が壊してはいけない。
卒業してすぐメジャーデビューが決まってるこの子達の未来を私が毀したらダメだよ。

だって、
だって…
今は教師と生徒。
卒業したら私は教師、彼は芸能人。

叶わない恋…

後ろを振り返らず抱きしめられた手をゆっくり振りほどくと
「高岡くん…先生と生徒に戻りましょう」
そう、彼にいって私は小走りにそこから逃げるようにその場を離れる。
彼が何かを言う前に…

鼻の奥がツンとした。同時に我慢していた涙が溢れて止まらなくなった…

大好き…愛してる。

愛してる…いつまでも…聖臣(せい)…


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希舟
希舟
はじめまして。 毎日じゃないけど、随時ゆっくり気が向いた時にやっていきたいなぁって。 見守ってください♡♡