第10話

もう一つの戦い
376
2018/04/28 12:32
ザッ!
周辺に群がった使い魔を、鞭のようにした槍で一掃する。
杏子
杏子
ほむら!そっちはどうだ?
ほむら
ほむら
えぇ、順調よ
銃を片手に持ったほむらはこちらを向いてコクリと頷いた。
あっちにも使い魔は群がっていたはずだが、ほむらは一瞬で退治したらしい。
さすがだな…と、あたしー佐倉杏子ーは、思った。
杏子
杏子
ったく、いきなり来やがって…
ほむら
ほむら
ぼやいている暇はないわよ…ほら
うっわ…また大量の使い魔が来やがった…

実を言うと、こんな状況になったのはほんの数分前だ。
街をぶらついててもなーんにも反応がないから、もう帰ろうかとか、ほむらと話していたら、いきなりソウルジェムに反応が出てきて…
それで魔女結界を暴き出して、今に至るというわけだ。

はぁ…あたしとほむらの最強コンビに勝てると思ってんのか?こいつら
ほむら
ほむら
…行くわよ、杏子
杏子
杏子
おぅ!
合図と共に、ほむらは一瞬で使い魔の集団の中心に入っていた。
ほむらの能力は時間操作…時間を止めたりする魔法らしい。だから今も、ほむらが瞬間移動したように見えたのだ。
突然敵が目の前に現れ、使い魔達もびっくりしたらしくて、逃げようとするが…
ほむら
ほむら
逃さないわよ
ダダダダダダダダダダッ!
ものすごい銃声が辺りに響きわたる。
銃弾が使い魔にあたり、使い魔が消滅していく。
だが、やっぱりそれを逃れてくるやつも当然いる。
ここで、あたしの出番ってわけだ。
杏子
杏子
逃げられると思うな……よっと!
逃げてきたのを一気に薙ぎ払う。
それを繰り返し、繰り返し…
杏子
杏子
よし!掃除完了だな!
数分もすれば全員倒し終わった。
ほむら
ほむら
さあ…いよいよ最深部……っ?!
ほむらが急に目を見開いた。
杏子
杏子
あ?どうした?ほむら?
……!?
あたしも気づいた…
とっさに胸のソウルジェムに手を伸ばす。
ほむらも、手のソウルジェムを外していた。
先程までは、この結界の魔女の反応で光り輝いていた。だが…今は…
杏子
杏子
…なんなんだ?この異常な反応は?
そう。
ソウルジェムがいきなり異常な程に輝きだしたのだ。
それも、さっきの反応が可愛く見えるぐらいの。
ほむら
ほむら
…魔女の反応…ではないわね…魔法少女の魔力?
杏子
杏子
あたしもそう思ったぜ…まどかかさやかかマミか?
ほむら
ほむら
それならまだマシじゃない?もし他の街の魔法少女なら…
杏子
杏子
…………
戦わなくてはならない…
ほむらはそう言おうと思ったのだろう。
まあ、あたしとしては大歓迎だけどな!
…ただ問題なのは、ひよっ子共だ。まだ未熟なあいつらに、他の魔法少女と戦えるか……って、何考えてんだ、あたし。
べ、別にあいつらのことを心配してるなんてぜっっってぇにねぇぞ!
…うん、絶対にない!ありえない!し、所詮あいつらとはただの協力関係だ。だ、だから…
ほむら
ほむら
…杏子?
杏子
杏子
…あ
ほむら
ほむら
さっきからなんで赤くなったり青くなったり顔をものすごい勢いで横に振っていたの?
うわ〜…行動に出てたらしい。
はっずかし……って、ンなこと言ってる場合じゃねぇ!
と、とりあえず、この魔力を追ってみるか?
ほむら
ほむら
そうしたいけど、ここの魔女はどうするの?
あ…
ここが魔女結界だということ、すっかり忘れてた…
…まずはここの魔女片付けるか?
ほむら
ほむら
私も同じことを考えていたところよ
杏子
杏子
…気が合うな、さっさと片付けるぞ!
ほむら
ほむら
えぇ











ー数十分


杏子
杏子
やー、結構強かったな
ほむら
ほむら
そうかしら?簡単だったわ
…ったく、相変わらず連れないなぁ…
ほむらの片手には、真新しいグリーフシード。さっき、魔女を倒し終わったところだ。
もう、魔法少女の変身もとけている。
ほむら
ほむら
それで、どうするの?
杏子
杏子
ん?何がだ?
ほむら
ほむら
まったく……さっきあったでしょう?異常な魔力の輝き…
杏子
杏子
あぁ…
戦いに集中してて忘れてた…
あたしは指輪にしたソウルジェムを本体の形に戻し、魔力を集中させる。
…きた。また、輝きだした。ソウルジェムが。だが…
杏子
杏子
…なぁ、ほむら
ほむら
ほむら
杏子も気づいた?
杏子
杏子
あぁ。さっきに比べて、魔力が小さくなってる…
…そう。異常に輝くというか、普通の魔女を相手にした時と同じなのだ。
じゃあさっきのはなんだったんだ…?
ほむら
ほむら
気になる?杏子?
杏子
杏子
そりゃー気になるさ
ほむら
ほむら
じゃあ、行けばいいじゃない
いや…別に魔女でもなさそうだし、そこまで行きたいってわけでもねぇしな…。
…ん?あれ?自分で言って、自分の言葉に疑問を持つ。
魔女じゃない…ってことは!
ほむら
ほむら
魔法少女の可能性もあるわね…!
杏子
杏子
だな!関わるつもりはなかったが、どうやら行かなきゃならないらしいな
そうと決まれば…!
あたしはソウルジェムをかざす。次の瞬間、光があたしの体を包み、あたしは赤い魔法少女姿に変身していた。
ほむらも、黒と白の魔法少女服になっている。
あたしとほむらはうなずき合って、その謎の魔力の根源へと駆けていったのだった…
TO  be  continued

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