第20話

“悲しい”
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2017/12/08 07:27
気付けば私は家にいた
ぼーっとしていたのかも

貴)はぁ、恋って
めんどくさい

貴)ご飯作らなきゃ

キッチンに立つと
静かにご飯の支度を始めた

ガチャッ

作り始めて少し
玄関で音がした

諒)ただいま〜

リビングのドアが
開くのと同時に部屋に広がる
明るい声、

貴)おかえり

諒)今日はビーフシチュー?

貴)そうだよ

彼の楽しそうな顔を見ると
さっきの光景が頭に浮かび
悲しくなる

諒)どうしたの、?

気持ちが表情に出ていたのか
彼に心配されてしまった

貴)何もないよ、?

諒)でも、悲しそうな顔してる

貴)さっき、感動系の
小説読んだからかも

諒)嘘だ、

貴)ッッ、

彼の大きな手が私の
頬に置かれる
その手は温かいのに
私の心はどうしても
温まらないのはどうしてなんだろう、

諒)聞くよ、?

貴)......

私は火を止め
ソファに座った

諒)なんかあったの?

貴)...なの、

諒)ごめん、もう1回言ってくれる?

貴)...

私は深呼吸をし
彼の目をしっかり見つめ

貴)貴方が、好きなの

彼に気持ちを伝えてしまった

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