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第27話

“幸せの奇跡”
74
2017/12/11 13:31
彼がいなくなって4ヶ月ほど
彼が帰ってくるかな、なんて
淡い期待をしながら4ヶ月を
すごし、玄関を開ける度
彼の靴がなくそれに涙を流す日々
まだまだ未練たらたらな私、
そして、今日は12月25日
クリスマスの日
この日もまた、仕事に出なければならない

貴)さっむ、

美)今年は去年より
冷え込んでて嫌ね、

貴)確かにね〜、
こんなに寒いなら雪ふるかな?

美)雪なんか降られたら
たまったもんじゃない!
寒すぎて家から出れないじゃん!

貴)うちらは会議の日以外
外でないでしょ?笑

美)そうだけど〜!

貴)私は雪好きだけどな〜
キラキラしてて綺麗じゃん

美)いいね、そんな見方を
出来るなんて...

貴)なんでそんな遠目をするの!笑

美)え、そんな目してないわ?笑

貴)美紅はこれから
彼氏とクリスマスデートか〜

美)ふっ、いいでしょ〜?
ラブラブなの♡

貴)羨ましいな〜
私はぼっちだもんな〜

美)じゃあ私こっちだから

貴)おう、じゃあまた今度

美)連絡するわ

貴)はいよ〜
じゃあね

美紅と別れ少し歩くと
ショッピングモールに飾られた
クリスマスツリーが

貴)今年もカップル多いな〜、

去年の今頃も私は
こんな事を思っていた
そういえば、彼とあったのも
今日だった
去年と違うのはついさっき降り出した
雪がツリーのネオンで
キラキラと輝いていた

貴)あ、今日コンビニで
新しいスイーツが入るんだった

美紅と会議中にはなしていた
会話を思い出し
コンビニにスイーツを
買いに行った

貴)2種類あったから
どっちも買っちゃった♪
あ〜楽しみ♪

コンビニを出た私は
家に帰ろうと見慣れた道を歩く
歩いている途中
彼と出会った時を思い出す

貴)去年も、コンビニ帰りだったな、

そんな事を思い出すうちに
私の目の前には
彼と出会ったあの電柱

貴)いるわけないか〜、笑

少し、少しだけど期待していた
また彼がいるんじゃないかって
頬に涙が伝う

貴)あ〜、いい加減
忘れなきゃな...

そんな事を呟いた時
私を誰かが抱き締めた

??)忘れないでよ...

貴)え、?

振り返ればそこには
頭に少し雪が積もっている彼

諒)ごめんね、

貴)諒、くん...

走っきたのか彼は息を切らしている

貴)な、なんでここに、?

彼は私の前からいなくなった
理由をゆっくり話し始めた
元彼女さんの話も彼がいなくなる前に
その人にクリスマスまでの
数ヶ月を一緒にいて欲しい
そしたら諦めるからと言われたと言う事

諒)あなたちゃんと離れて
わかったんだ、
俺、あなたちゃんが好きだって

貴)もう、いなくならない?

諒)うん!だから、

前と同じ場所、
違うのは雪が降っている事と
私達の心

あの頃は、こんな事に
なるなんて思ってもいなかった
この1年で恋を知った
恋の苦しさを知った
そして、

諒)黒澤あなたさん
俺を拾ってくれませんか?

こんなに、
愛おしいと思える人が出来た
クリスマスにはきっと
幸せな奇跡が起こるんだ

貴)はい!!ニコッ

諒)あなたちゃん大好きだよニコッ

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