第9話

まだ知らない
79
2017/12/09 06:19
「ははっ、いたずらだったんだ」

そりゃ、そうだよね

自分でも己の気の迷いに笑えてくる

それでもまだ、僅かな望みが捨てられなくて…

「明日の朝、こなかったら捨てよう」

それで踏ん切りがつくはずだから

あたしはベットに入り、静かに目を閉じた
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日差しが部屋に差し込み、その眩しさに目を覚ました

ボー

結局、気になって熟睡は出来なかった

「……あ!」

机の上にはあたしのものではない

新しい手紙が置いてあった

「っ~、さむっ…」

布団から出た瞬間、寒さが肌を突き刺すが

それにも負けずあたしは手紙を掴んだ

12月13日

クリスマスまで1週間と5日

この手紙が自身を大きく変えていくことを

あたしはまだ知らない

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