第11話

谷崎楓翔 ①
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2017/12/10 15:30
“あたし、小さい頃は施設で育ったの

本当の両親は暴力を振るったり

男を取っ替え引っ替えしたりって

どうしようもない人間だったらしくて

あたしは通報を受けて保護されたらしい

今の両親は5歳の頃に引き取ってくれた里親

施設の人も新しい両親もいい人たちばかりだった

けど、身体と心に受けた傷は簡単に消えなくて

愛されるということが分からなくて

あたしは笑うこともなく、反発ばかりしていた

そんな時だった

「そんな隅っこで何してんだ?」

楓翔と出逢ったのは…

「え?」

「そんなとこにいてもつまんねえだろ?こっち来て一緒に遊ばね?」

「…っ……」

その時のあたしは素直に受け止められなかった

周りの大人たちが哀れみの目で自分を見てることを

何となく感じてたから

「…っ……あたしの事なんてほっといてよ!可哀想なんて思ってるなら迷惑だから!」

「………ばっかやろうー!!」

耳がキーンとなるほどの大声でその少年は叫んだ

「へ?」

「誰もそんなこといってねえだろ!俺はただ一緒に遊ぼうって言っただけじゃんか!そんなに俺と遊ぶのが嫌なのか?」

「別にそういうわけじゃ……」

「じゃあ、決まりだな!」

そういうと少年はあたしの腕を掴んで走り出した

「ちょっ!」

「あ、名前いってなかったな。俺は楓翔。お前は?」

「……日向」

「日向だな。これからよろしくな!(ニカッ」

ドキッ

乱暴な言葉遣いで手段も強引

けど、すごく純粋で眩しいほどの笑顔

それが楓翔の最初の印象だった ”


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