家に帰るとまた手紙を書いた
『 教室にいたのは同級生の亮太だった
亮太は本気であたしのために怒ってくれた
揺らぐことなく、真っ直ぐにあたしを見て
好きだって言ってくれた
こんなあたしを好きになってくれる人なんて
いたんだね 』
そう書いて便箋を封筒に入れた
ベットに転がり、さっきの言葉を思い返す
“日向が好きだ”
「……ボッ///」
自分で顔が赤くなるのが分かる
改めて思い返すのあたし、すごいこと言われてたんだ
「…好きな人、か」
楓翔以外の好きな人なんて考えたことなかった
今だってこんなに引きずっている
それなのに、新しい恋なんて出来るのかな?
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ピピピピピピピピ
「…ん~………あ!」
気がつけば外はすっかり明るくなっていた
いつの間にか眠ってしまったらしい
「!」
机の上にはいつもの通り、新しい手紙
いつものように封をあけてみる
「…え?」
そこには……
『 よかったな
それならもうこの手紙も必要ないな
じゃあな 』
それだけだった
「何で?」
突然のことにあたしよ思考は追いつかなかった
『どうして?』
それだけ手紙に書いて机の上におき、返事を待った
けど、それから3日の間
手紙が持っていかれることも
新しい手紙がくることもなかった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。