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第1話

この髪が鬱陶しい
オウニside



『泥クジラ』


そこは俺にとって、窮屈でしかない。
問題を起こせば監獄に入れられ、釈放され、また入れられる。
それを俺たち自身のせいだと言えばそれで終わりだ。
だが、外の世界に行きたいと願うことが、果たしていけないことなのか。


俺はそうは思わない。


『体内モグラ』は外の世界に行くことを願う若者たちの集団だ。
同じように思っている仲間がこんなにもいる。


キチャ
キチャ
オウニー!!
芝生に降りていたキチャが、体内モグラの基地にいる俺に手を振る。

その隣では、ニビがキチャに負けないほど大きく手を振っている。
オウニ
オウニ
「ふっ…どっちも似たもの同士だな…」
俺は手を上げて答えると、もう一度砂海に目をやる。


俺は焦っているのかもしれない。
俺たち印は皆、短命。
このまま、この船で寿命を迎えるなんてごめんだ。
俺たちが外の世界に行って、仲間と暮らすまでは、死ぬわけにはいかない。


立ち上がった時なびいた髪を、砂海からの風がもてあそぶ。


この髪も随分伸びた。
切ったこともなければ、別に切りたいとも思わない。


だが、今だけは、
この世界にもてあそばれているようで、
鬱陶しかった。