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第4話

『ねーちゃん』
オウニside
マソオ
マソオ
ったく!数日前に出たばかりなのに、もう戻って来ちまったのかよ…
ニビ
ニビ
ちぇっ マソオはうるせーな
マソオ
マソオ
なんだとニビ!だいたいお前らが何度も問題を……


マソオの小言が始まったから、俺は少し、歩速を上げる。

夕焼けの赤に染まった泥の階段を、地下に向かって降りて行く。
この階段を降りることも慣れたものだ。


マソオ
マソオ
お前らだってこんなところに来たくないだろ?それならもう問題を起こすのは……
ニビ
ニビ
あーうるせーなー
オウニ
オウニ
ニビ。聞こえたら面倒だ。ほっとけ。
マソオの小言にも慣れた。
最初の頃は、何故そんなことを言われなくてはいけないのか、と内心腹を立てていたが、
今では、どんな言葉も頭の中に入って来なくなった。
マソオ
マソオ
ほら、そこで大人しくしてろ!
ニビ
ニビ
へいへーい
いつもの監獄にニビ、キチャ、アイジロ、ブキ、ジキ、そしてオウニ。
少し離れた小さな場所に、シコクとシコンが入れられた。
ニビ
ニビ
数日ぶりの監獄か。やっぱ暗くてなんも見えねー
キチャ
キチャ
ニビ、怖いの?笑
ニビ
ニビ
んなわけないだろ!キチャこそ…
キチャ
キチャ
キチャだって怖くないよー!
二人が言い合っているのを、俺たちは苦笑いしながら見守る。
ニビ
ニビ
でも早いとこ、ここから出よーぜ
キチャ
キチャ
長老会が許さないと、出してなんか貰えないよ
キチャの言葉に、皆顔を背けて、ただ沈黙するしかなかった。


外の世界。
こんなちっぽけな船なんて、俺には必要ない。
何かチャンスがあれば、躊躇することもなく俺はこの船を出る。

そのためには、ここを捨てるためには、俺はどうすれば…。



トントントン

誰かが監獄の廊下を歩いていく。

さして興味もなかったので、俺は壁にもたれて目を瞑った。


トントントンッ…

足音が遠ざかって行く。
ニビ
ニビ
あれ?あんな奴いたっけ…?
キチャ
キチャ
知らない…








ニビ
ニビ
おーい!そこのねーちゃん!
キチャ
キチャ
ニビ、やめとけよぉ。




俺は目を少し開けて、格子の向こうを見る。



あなた
『ねーちゃん』って私のこと?
よく通る声の女が、顔だけ出していた。
ただ、こちらが暗いせいで逆光になり、黒いシルエットしか見えない。
ニビ
ニビ
そうそう!お願いがあるんだけど、聞いてくれよ
あなた
…なにが望み?
ニビ
ニビ
ここから出してくれ。さっき入ったばかりだから、大人しくしてると思って、誰も見張りはいないだろ?
ジキ
ジキ
ニビ!
キチャ
キチャ
なに言ってるの!
俺はもう一度目を瞑った。
そんなこと、俺たちとなんの関係もない奴ができるわけがない。
あなた
何人?
ニビ
ニビ
6人
あなた
……


ガチャ
「「!」」


皆、その音に驚いた。
俺は、顔を上げる。

今のは明らかに鍵が外れた音だ。

まさか、この女が…。
あなた
あとは自分の責任で、逃げるか、逃げないか選んで。
ニビ
ニビ
……ほんとにやっちまったよ…
あなた
君が望んだんでしょ?
ニビ
ニビ
……






あなた
私、行くね!
ニビ
ニビ
お、おい!まてよ!
トントントンッ

最後は笑いを含んだ声色で去って行った。
ニビ
ニビ
あ…



…本当にやってのけるとは思ってなかった。



ニビ
ニビ
オ、オウニ…どうする…
オウニ
オウニ
……
あの女は何者なんだ。
あんな奴は見たことが無い。
500人ほどのこの船で、知らない奴など無いに等しい。
なのに、あの女のことは誰も知らないようだ。

気になる。

オウニ
オウニ
お前らはここで待ってろ
ニビ
ニビ
オウニ!?
キチャ
キチャ
ちょっ でちゃダメだよ!!
オウニ
オウニ
ギッ

確実に開いた扉に、皆が絶句した。

俺はそこを出て、女が向かった方に歩みを進めた。
ニビ
ニビ
オウニ!
仲間が俺を呼んでいるが、俺は止まらなかった。