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第20話

監獄のなかで
私たちは、泥クジラに着いたあと、すぐに長老会のいる尋問室に連れて行かれた。

リコスは中央棟へと監禁されてしまった。




ハクジ
ハクジ
数々の墓標を見た…本当にそれだけなんだな?
オウニ
オウニ
ああ
ハクジ
ハクジ
チャクロはどうなんだ
チャクロ
チャクロ
は、はい、それだけです
ハクジ
ハクジ
あなたは…
あなた

ええ、他には何も見てない

ハクジ
ハクジ
…よろしい。3人の言うことを信じよう
ハクジ
ハクジ
お前たちは、体内送りだ。今回の件、しっかりと反省しなさい
ハクジ
ハクジ
連れて行きなさい
自警団
はっ
自警団とマソオ兄さんが入り口で控えていた。







ハクジ
ハクジ
あなた
あなた

…はい

ハクジ
ハクジ
お前は、ここに残りなさい
あなた


ハクジさんに呼ばれるも、その場を動けずにいる私に、オウニが手を掴み、引く。

オウニ
オウニ
あなた、行くぞ
あなた

オウニ、だめよ…先に行ってて

オウニ
オウニ
……わかった

オウニは私からゆっくりと手を離す。







私はもう一度長老会の皆の方へ向いた。

ハクジ
ハクジ
あなた
あなた

はい

ハクジ
ハクジ
お前は、私たちを嫌っているか?
あなた

…いいえ

ハクジ
ハクジ
私たちが、お前のことを放っておいたことが、お前にとって酷だったのか?
あなた

そんな、ことは……っ…たくさん助けていただいた恩を忘れてはいません


私ははっきりとそういった。

しかし、みんなの顔は曇っていく。

ハクジ
ハクジ
ならば…なぜオウニと共に行った?
あなた

…?…オウニが大切だからです


ハクジさんは、みんなは何が言いたいの?

ハクジ
ハクジ
こんなことを言うのは納得いかないと思うかもしれないが…、今後オウニと行動しないでくれ
あなた

…どういうことですか

ハクジ
ハクジ
お前には、役割があるんだ
あなた

…役割

シラアイ
シラアイ
泥クジラにはあなたが必要なの

シラアイさんが続けて言う。

あなた

何でそんなこと…

ハクジ
ハクジ
私たちは、あなたがいなければならないんだ。しかし、オウニと共にいればお前は…
あなた

何で、そんなこと言うんですか…?」

ハクジ
ハクジ
あ…

私の目の前は、自分の涙で霞んでしまった。

あなた

わ、私だって、さみしかったに、決まってます…。
あの地下の部屋の中に1人で…怖くて助けて欲しくても、外が…それ以上に怖くて…いつも、ひとりで泣いて…

あなた

そんな私を、助けて出してくれたのは…マソオ兄さんとオウニだけなんです…だから、だから…


ポンポンッ

あなた

んっ…え?

マソオ
マソオ
ハクジ様。こいつらを遠ざけようなんて、そんなこと言わないでやってください

見上げると、そこには困った顔したマソオ兄さんがいた。

ハクジ
ハクジ
マソオ…お前は…
マソオ
マソオ
ああわかってますよ…俺は関係ないんですよね?
ハクジ
ハクジ
っ…
マソオ
マソオ
そんなことわかってるんだよ。俺は最初から『お兄ちゃん役』だったんだ。あなたたちが与えた俺の『役割』ってのは
あなた

マソオ兄さん…

マソオ
マソオ
でも、あなたは何も悪くない。こいつはただ、あんたたちが与えた恐怖に心を蝕まれたんだ
ハクジ
ハクジ
なにを…
シラアイ
シラアイ
ハクジ…やめましょう
ハクジ
ハクジ
シラアイ…しかし…
シラアイ
シラアイ
その通りなのだから。…あなた
あなた

ぐすっ…はい

シラアイ
シラアイ
こっちにおいで
あなた

ん…



私はゆっくりと歩み、シラアイさんの前で片膝をついて、屈んだ。


シラアイ
シラアイ
ごめんなさいね…私たちは、今、どうすればあなたを救えるかが分からないの。いいえ、もうずっと…

そう言ってシラアイさんは私の髪を撫でる。

シラアイ
シラアイ
マソオの言う通りよ。私たちはあなたの恐怖を癒すこともせずに、それどころかあなたの大事なものを奪おうとしてたのね…本当にごめんなさいね
あなた

…じゃあ、オウニといてもいいんですよね?


私がそう聞くと、シラアイさんはすぐに。

シラアイ
シラアイ
ええ、あなたの思うようにすればいいわ
ハクジ
ハクジ
シラアイ、それではどちらも救えな…
シラアイ
シラアイ
これでいいのよ。これで…



私は、この時始めて自分の事がひとつ分かった。

オウニと私は、本当は離れていなければならない存在だったんだ。

だから私は地下にいさせられたんだ。

でも私たちはこうして出会ってしまった。


理由は分からないけれど、それは皆にとって計算違いだったんだ。


マソオ
マソオ
あなた、もういいだろ
あなた

マソオ兄さん…うん

シラアイ
シラアイ
…あなた
あなた

シラアイさん、大丈夫です。私、みなさんのことを嫌ったことなんてないですから

シラアイ
シラアイ
あ…


私は踵を返して、マソオ兄さんと尋問室を出た。




ーーーーーーーーーーーーーーーーー
ハクジ
ハクジ
あれで、よかったのか…
シラアイ
シラアイ
仕方ないわ…だって、私たちはあの子を大切できなかったのよ
ハクジ
ハクジ
しかし、あなたは知らないんだ。おのれの生まれた意味と力に…

ーーーーーーーーーーーーーーーーー



あなた

マソオ兄さん…あの、さっきはあ…

マソオ
マソオ
お前、俺のこと嫌いになってねぇよな?
あなた

ええっ!う、うんなってないよ!

マソオ
マソオ
……だよなぁ〜!!
マソオ
マソオ
あなた!俺の手を払った時、もう嫌われたと思って、しばらく動けなかったんだぞ!
あなた

あ、ごめん…わたし…

マソオ
マソオ
まあいいんだよ!さっきの言葉嬉しかったからな


『そんな私を、助けて出してくれたのは…マソオ兄さんとオウニだけなんです…』


あなた

うん…本当にそう思ってる

マソオ
マソオ
…お前が着いて行くと決めたのなら、お前の好きなようにしろ。俺が絶対捕まえてやるから!
あなた

えっ!あ、うん…?



兄さん…結局、体内送りにはするんだね…!









そうこうしているうちに、私たちは地下にある監獄へと着いた。

あなた

オウニと一緒のとこに入れてもらえるよね…?

マソオ
マソオ
ああ、心配すんな…って言うのもおかしいが…安心しろ!
オウニ
オウニ
あなた
オウニの声が低く響いて、私に居場所を知らせる。

あなた

オウニっ

私が一つの監獄に近づくと、そこからオウニが見えた。

そしてチャクロも。

あなた

早く入れて!

マソオ
マソオ
おいおい…入れてなんて言われたの始めてだよ

マソオ兄さんは苦笑いしながら、鍵を外して、扉を開けた。

あなた

ありがと、マソオ兄さん!


私は監獄に滑りこんで、オウニの首に腕を回した。


オウニ
オウニ
うっ…
マソオ
マソオ
おお…見せつけてくれるじゃねぇか
チャクロ
チャクロ
オ、オウニが…//
オウニ
オウニ
俺らは別に…
あなた

オウニ…こわかった…


私が小さく言うと、オウニは。

オウニ
オウニ
おい。おっさん、あなたに何した
マソオ
マソオ
ぅええ?!俺?!

私には、今オウニにサイミヤが見えた。








マソオ
マソオ
じゃあ、ちゃんと反省しろよ。
あとチャクロ!
チャクロ
チャクロ
え?なに?
マソオ
マソオ
が、ん、ば、れ、よ!
チャクロ
チャクロ
え…?あっ、ちょっ//


まあ、恋仲に思われても仕方ないか…。

こんなにオウニにべったりじゃ。












あなた

本当になにもすることないんだね

チャクロ
チャクロ
そ、そうだね
あなた

チャクロ
チャクロ

いや気まずいわ!!

なんなのチャクロ。

変に気を使わないで欲しい。

チャクロ
チャクロ
い、いつまでここにいるのかなぁ
あなた

ずっと動かずにいるのはきついね

オウニ
オウニ
あなた
あなた

ん?


オウニがやっと口を開いて、私を呼ぶ。

オウニ
オウニ
お前も外に慣れたんだな
あなた

え…


私がきょとんとしていると、オウニはふっと小さく笑って、寝転んだ。

あなた

え、オウニ?ねぇ、どういうこと??


私はオウニを揺さぶってみたが、それ以上はなにも話してくれなかった。






チャクロ
チャクロ
ねぇ、あなたって…どこに住んでたの?
あなた

…私は…体内にいた

チャクロ
チャクロ
やっぱり、そうだったんだ
あなた

……私のこと、もうみんな知ってるの?

チャクロ
チャクロ
何人かは、知ってると思う。姿を見たって話は何回聞いた
あなた

…そうなの

チャクロ
チャクロ
…君の過去は、聞かない方がいいんだよね…?

チャクロがおそるおそる私に問う。

あなた

…私が、この前叫んだことを言ってるなら…『外の人間に殺されそうになった』ってこと、それだけよ

チャクロ
チャクロ
え?
あなた

チャクロ
チャクロ
それだけ、って…そんなの許されないじゃないか…!
あなた

それだけのことよ、私はそれだけに縛られて生きてる

チャクロ
チャクロ
…でも、そんなの…一体誰が…
あなた

誰がなんていいの…わからないから、その事実に恐れるだけ

チャクロ
チャクロ
……っ
あなた

…もう寝よう。ちょっと疲れた

チャクロ
チャクロ


私はオウニの側に寝転ぶ。

私は手持ち無沙汰になったので、そっぽ向いてるオウニの首飾りに手を伸ばした。

くいっくいっと引っ張ると、オウニは仰向けになってから、顔を傾けて私を見た。
オウニ
オウニ
あなた

オウニ
オウニ
はぁ…来い
あなた

え?

オウニ
オウニ
冷えるだろ
あなた

あ…ありがとう


オウニは私を自分に近づけさせた。

あなた

オウニってさ…変わったね

オウニ
オウニ
あなた

嬉しい…ありがーーっん

オウニ
オウニ
それ以上言うな


私はオウニの手で口を塞がれる。


あなた

んんっ

オウニ
オウニ
あいつもいるんだ
あなた

…ん


一瞬、完全に忘れてた。

チャクロ、絶対顔赤くしてるよ。

オウニ
オウニ
はぁ…

オウニがため息をついて、口から手を離すと、その手を私の頭の下に回した。

オウニ
オウニ
あなた

え…あ…ありがとう


腕枕してくれた。

なんやかんや優しいんだから。


オウニ
オウニ

オウニは冷静な顔で眠っていた。

ただいつもと違ったのは、耳だけがほんのりと赤くなっていたことだけだった。
















監獄はチャクロの小さなため息が響いていた。