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第15話

大事な仲間
あなたside



オウニが立ち上がった時は、ちょうど緊張のピークを過ぎてほっとしていた時だった。


そんな時に急に歩き出したオウニが、出口を超えて、今にも階段を下りていきそうだったので、
「え、いや、まってよ」と言いたげな顔をしていたかもしれない。


こんな初対面の人たちにオウニなしで囲まれたら、私、とてもじゃないけど…うん。


そういうことだ。



オウニは一度こちらを振り返ったみたいだけど、私も座っていたのでキチャちゃんで見えなかった。



『オウニ、行くな、行くなよぉ!』


と念を送ってみるが、何故かニビさんが立ち上がってコクリと頷くと、その期待を裏切って小走りで階段の方へと消えてしまった。



『あぁぁ〜…』


どうしろというんだ。

私は知らないぞ。

私がどうなっても知らないぞ。


ニビ
ニビ
キチャ。オウニはほっといて、他の奴らと食べ物取ってきてくれ
キチャ
キチャ
…うぅ、わかったよ
ちょっと悲しそうに見えるのは私だけなのかな。



キチャちゃんがみんなを引っ張って、出口を行く。


ニビ
ニビ
あなた

ビクッ!


ニビさんが私の肩に手を置く。


やばいやばい。

情念動 発動しかけたじゃないか。

あなた

はい…っ

ニビ
ニビ
ちょっと俺と話そうぜ
あなた

…コクリ

ニビさんが奥の部屋にと言うので立ち上がる。


ふらっ…
あなた

…っ

ニビ
ニビ
あ、大丈夫か?





ニビさんが私の身体を支えるために両腕を掴む。


その瞬間、ぞわりとアウラが現れる。
ニビ
ニビ
えっ、あなた…っ
あなた

触らないでっ…


その手から逃れようと身体をひねる。

ニビ
ニビ
な、なんでっ
あなた

離して!怪我させちゃうっ


そう言っても、ニビさんは私を離そうとしない。
あなた

どうなっても、知りませんよ…っ

ニビ
ニビ
…っ
私の意識とは無関係に、部屋の中にアウラが無数に浮かんで散らばる。


私にも、自身の情念動がどんな暴走をするか分からない。


アウラは私とニビさんの周りにたくさん浮かび上がる。


止まれ。

収まれ。


そう念じるが、状況は全く変わらない。

ニビ
ニビ
あなた…何する気だよ
あなた

私にも分からない…逃げなかったのは、ニビさんのせいですからね…


私がそう言うと、ニビさんは腕に込める力を強める。



アウラの一つがニビさんの腕に張り付く。

するとニビさんの顔が辛そうな表情に変わる。

あなた

!…ニビさ…っ


足に痛みが走り、声が震えた。

見るとアウラが張り付いている。

これが痛みの原因なの?


それを皮切りに周りに浮かんでいた たくさんのアウラが飛んでくる。

身体中に張り付き、痛みが全身を覆う。
ニビ
ニビ
あなたっ
ニビさんを見ると、私よりもアウラは受けていないけど、苦痛で顔を歪めている。

アウラはどちらかといえば私を攻撃したがるみたいで、少し安心した。

だが、ニビさんだって少なからず影響を受けている。

一刻も早く逃げてもらわなければ。

あなた

逃げてっ!

ニビ
ニビ
あなたはどうなるっ!
あなた

わたしは…気を失えば、暴走も止まりますから…

ニビ
ニビ
そんなの…っ
あなた

はやくっ行ってください!

ニビ
ニビ
いかねぇ!
あなた

ニビさんが私を抱きしめる。
あなた

何やってるんですかっ!

ニビ
ニビ
うるせぇ!

うるさいって言われても…。

これじゃニビさんがアウラ受けっぱなしじゃないっ。


ニビ
ニビ
どうやったら、止められる?
あなた

どうやったらって…私を気絶させてくれれば収まります

ニビ
ニビ
それ以外、何かないのかよ
あなた

…それがわかったら、とっくに収まってます!

ニビ
ニビ
くそっ
あなた

とにかく、ニビさん逃げてくださいっ

ニビ
ニビ
いやだね、絶対に逃げない!
あなた

…なんで、なんでよっ



私が半ば、怒るようにニビさんの身体を引き剥がそうとすると。


ニビ
ニビ
大事な仲間、置いていけるかよっ!
そう言った。
ニビ
ニビ
あなたはもう仲間なんだ!俺だけ逃げるとか、絶対に嫌だ!
自然と涙が、溢れる。
ニビ
ニビ
それに、『ニビさん』じゃなくてニビ!!
あなた

…ニ、ビ…っ



今まで飛び交っていたアウラがぴたりとやむ。

幸い二人の身体には何の傷も残っておらず、同時に痛みも消え、身体から力が抜ける。


ニビ
ニビ
あなたっ!
ニビは私を抱え、どうにか立たせてくれた。
あなた

…ごめんなさい

ニビ
ニビ
いいって、な?だから泣くなよ
あなた

ニビが、あんなこと、言うからです

ニビ
ニビ
それで収まるなんて思わなかったよ笑


そう言って、私の頭をクシャと撫でる。


あなた

仲間なんて、本当に思ってくれているんですか?

ニビ
ニビ
当たり前だろ?
あなた

…あなたに危害を加えたのに?

ニビ
ニビ
…なんだよ、そんなの気にすんなって!
あなた

でも…

ニビ
ニビ
初めてキチャじゃない女を抱きしめたからな。お前けっこういい体してるじゃん笑
あなた

なっ///

ニビ
ニビ
ニヒッ笑

胸に目線を向けながら悪びれもせず、そんなことを言うニビに、私は涙も止まり赤くなる。


ニビ
ニビ
お前のこと、知りたいんだよ。


ニビは私の首に手を伸ばし、ネックレスに触れる。


ニビ
ニビ
今までどこに暮らしてきたかとか、好きなものとか

それを指で もてあそぶ。


ニビ
ニビ
何で俺たちのこと助けたのかとか

ニビがネックレスから手を離すと、

ニビ
ニビ
全部、知りたい

シャラっと音を立ててあるべき位置へ戻った。



そんな一連の動作に、私の心臓が大きく鳴る。



ニビ
ニビ
オウニは平気なんだろ?
あなた

はい

ニビ
ニビ
なら、俺たちにも慣れてよ
あなた

…時間が、かかるかもしれないです

ニビ
ニビ
オウニのようにはいかなくてもいい。
でも、俺にはすぐ慣れろよ?笑
あなた

頑張ります笑

ニビ
ニビ
おう!

ニビの人柄が、なんとなくわかった気がする。

オウニだけが知ってる私の話をするのも、ニビならいいのかもしれない。




暴走はしたが、ニビのおかげでなんとか気絶しなくてもよかった。

ニビには、人を安心させる不思議な力があるようだった。