プリ小説

第4話

やっと。
遥斗くんは本当に毎日病院に来てくれた。
そして学校についてのことをたくさん教えてくれた。
私は小学生のことから憧れていた弓道部に入っているらしい、遥斗くんは頭がいいけど、私はそこまで頭が良くないってことを笑顔で話してくれていた遥斗くんは天然なのかな?なんて、思いながら毎日楽しく話していた。

コンコン…

「はい!どうぞ!」

ガラガラ…

「今日も元気そうだね!」

午後4時半。
いつも遥斗くんはこの時間に来る。
毎日学校帰りそのまま病院に来てくれる。梨花ちゃんと綾美ちゃんもたまに来てくれて、私の通っている学校の制服を見せてもらった、
今は冬服で、紺色を基調とした制服で紺色のブレザー、スカートは赤色のチェック柄で胸には赤いリボンが付いている、すっごく可愛い制服だったな!
男子は、コンのブレザーに、女子のスカートよりも暗めの赤のチェック柄の入ったズボン、
遥斗くんにすっごく似合っていて、思わず見とれてしまう。

「…そ、そう言えば!遥斗くん今日までテストだったよね?お疲れ様!ってか、毎日来てくれてたけど、大丈夫だった?」

見とれていたのをごまかすために水曜日からあっていたテストの話題をだした。

「大丈夫!全然余裕だったから!」

「……」

そう言えば遥斗くんってすごく頭よかったんだった・・・

「ってか優結?」

「ん?どうしたの?」

「そろそろさ、俺の事呼び捨てでいいんじゃない?」

「え?」

「い、いや、さ?前は、呼び捨てだったし、くん付け慣れなくて」

「…そっか!じゃあ、遥斗って呼ぶようにするね!」

「おう!」

本当に私遥斗く・・・遥斗の彼氏なんだなー
なんかすごく嬉しい・・・

「あ、もう6時だ。」

「ほんとだ…そろそろ帰ろうかな、」

「…まだ話してたかったのにな、」

「また明日も来るから!」

「うん!」

いつも遥斗は6時に帰る。
もっと遅くてもいいじゃんって思うのに、
お母さんが許してくれない・・・

「ってか、そういえば優結、明日退院じゃん。」

「…あ!そーいえば!…忘れてた!」

毎日遥斗くんと話すことが楽しみすぎて、明日退院だったことを忘れてた!

「また優結と学校、一緒に行けるようになるな!」

そうだ、退院したら学校が始まる・・・
今の私には、知らない人ばかりなんだ・・・
二人もよくお見舞いに来てくれて、学校や、クラスメイトについて色々教えてくれたけど・・・
やっぱり不安

「大丈夫!俺がいるし、あと立花と北野もいるじゃん!」

遥斗が私の心を見透かしたように笑顔で言った、

「ありがとう!…梨花ちゃんと綾美ちゃんって立花と北野っていうんだね、」

「そうだよ!…知らなかったのかよ…」

そう言って、遥斗は笑う。

「もう!笑わなくてもいいじゃん!」

キュンっとしながらも口を膨らませ怒っていると、

「優結、本当に…もう大丈夫だよな?」

遥斗が急にいつも笑顔な顔を歪ませて、苦しそうに聞いてきた、

「…?…うん!もう大丈夫だよ!…心配させてごめんね?」

不思議に思いながらも、私がそう答えると、

「そっか…よった…」

そう言ってから遥斗はいつもの笑顔で笑った

「遥斗…どうしたの?」

「いや!なにもないよ!」

遥斗はそう言って笑っている、
でも…遥斗嘘ついてる…
ここ数日遥斗と話していてわかったこと、
遥斗は嘘をつく時無理やり口角をあげて笑う、遥斗はきっと気づいていない。

「…本当に?」

「おう!」

「そっか、」

遥斗が嘘をつく時は大体理由がある時だから私はあまり問い詰めない、いつか話してくれるって信じてるから。

「じゃあ俺もう帰るな!あったかくして寝るんだよ!
あと、明日はやすみだから朝から来るからね!荷物運ぶの手伝うよ!」

「うん!ありがと!」

「うん!じゃ、また明日な!」

「また明日!バイバイ!」

ガラガラ・・・パタン。

…帰っちゃった…
いつも遥斗が帰ったあとは部屋がとても広く感じる…
寂しいな、今日お母さん退院の手続きがあるから来れないって行ってたし…

「はぁー、明日退院かーもう1週間経っちゃった…月曜日からは学校だし…記憶も全然思い出せないし。」

ため息が出るのも仕方がないよね…1週間のあいだに遥斗や梨花ちゃんや、綾美ちゃんから学校のことや、お母さんには高校生になってからの私事をたくさん聞いて来たんだけど…全く思い出せない・・・

「そーいえば!お母さんに明日の退院の準備しといてってさっき電話で言われてたんだ!」

遥斗と話していてすっかり忘れていた。
最近物忘れがすごいな、3年分の記憶も忘れちゃうし…
なんてことを考えながら荷物を片付けた後。
気づいたら私は眠りについていた。


そしてまた、夢をみた。
真っ暗で、何も聞こえない静かな場所。
ただたんに静かなんじゃなくて、不気味な、孤独を感じさせるもの、
寒い、苦しい、悲しい、寂しい、怖い
負の感情が私を支配する。

『なに、ここ。』

私の発した声は闇の中に吸いこまれる。
怖い、怖い、怖い!
誰か、誰か助けて!
ここはどこ?何も見えない!
遥斗・・・? 遥斗助けて!
恐怖で、押し潰されそうになって耳を塞ぎ、目をつぶって、しゃがみこもうとした瞬間。
急に目の前が明るくなった、
明るい光に目がなれていくうちに見えたものは、前に見せてもらった高校の制服に身をつつんで楽しそうに梨花ちゃんと綾美ちゃんと歩いている私。
そして一瞬暗くなってから見えたのは、遥斗と手を繋ぎ、幸せそうに歩いている私。
また一瞬暗くなり、見えたのは・・・目の前に車の、とても明るい光。

『危ない!!』

思わずそう叫んだ。
その瞬間、思い出した。
忘れてしまったすべての記憶・・・
梨花と綾美のこと、遥斗のこと、
遥斗に会いたくてたまらない、すごく幸せで、だけどとても切ないこの気持ち。早く、伝えたい。
【愛してる】と、
記憶は、ゆっくりと、確実に頭の中に流れ込んでくる、
こんな、大事な記憶を何故私は忘れてしまっていたのだろう・・・

もうすぐ朝が来る、遥斗が来てくれる、
私の、とても愛しい遥斗が。
そして伝えよう。
引かれてしまうかもしれない、重いって言われて突き放されるかもしれない。
だけど、伝えたい。私のこの気持ち。

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🌸Jun🌸
🌸Jun🌸
初心者です🌟 暖かい目で読んでいただけたら嬉しいです💦
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