第9話
願い事。
~6年後~ 7月7日
リーンゴーン〜リンゴーン〜
教会のベルの音が鳴り響く。
今日は6年間待ち続けていた遥斗との結婚式。
遥斗がアメリカに行っている間、寂しくて、会いたくてたまらない時もあったけど、お母さんや、梨花や綾美が支えてくれた、この3人にはすっごく感謝している。
そして1年前大学を卒業してすぐに遥斗は日本に帰ってきた。遥斗の両親は、そのままアメリカに住むことになったそうだ。
でも今日の結婚式には来てくれた。
高校生の時私の部屋で口約束だけのプロポーズされた。
そしてそれから5年後、結婚式の用意とかで1年経っちゃったけど、こうして結婚出来て本当に幸せ!
あ!日本に帰ってきてから遥斗にもう一度しっかりとしたプロポーズをされました!すっごくかわいい指輪と一緒に。
コンコン・・・
「はーい!」
「優結?着替え終わった?入るよ?」
「うん!どうぞ!」
ガチャッ・・・カツカツ・・・
「!!!」
「っっ・・・」
「遥斗めっちゃかっこいい!」
「優結めっちゃ綺麗!!!」
「「!!!・・・・・・ぷっ・・・ハハハッ」」
「遥斗すっごくかっこいいね!」
「ありがとう。優結こそ、すっごく綺麗だよ。」
「ありがとう!・・・とうとう結婚だね。」
「そうだね、優結。」
「なに?」
「5年間待っていてくれてありがとう。」
「ううん、こっちこそ迎えに来てくれてありがとう。愛してる。」
「俺も。優結、愛してるよ。」
そっと触れるだけのキスをした。
せっかくのお化粧が崩れちゃうしね、
6年前の今日私が七夕の短冊に書いた願い事。
【5年後、遥斗と幸せでいられますように。】
1年遅れちゃったけどこの願い事叶っちゃった!
・・・まぁ、絶対に叶える予定だったんだけどね!
そして今日7月7日。
今年は2人で短冊に願い事を書いた。
【生涯2人で幸せに生きていけますように。】
「ねぇねぇ、」
「ん?」
「もし、子どもができた時は、どうするの?」
「その時は2人で一生懸命育てて俺達が死ぬまで・・・死んでからもかな?見守ってあげよう。」
「そうだね!」
これからは"2人で"生きていくの。
この願い事絶対に叶えてみせるんだから!