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第1話

死後
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2017/12/09 13:29
俺は信号を無視してトラックに跳ねられた。
自業自得だ。
だけどそれじゃあ、不満ばかりだ。

死ぬとは思っていなかったから心の準備をしてなかった。
やり残したことはたくさんある。

なのに死ぬのは不公平だ。

そんな事を考えられて切られるのも脳があるから。
心臓があるからだろう。

俺は今暗闇の中にいる。
そんな中足音が聞こえた。
あなた

誰か…いるんすか…

言葉をかけても聞こえてくるのは足音だけ。
あなた

……いないんすか…

そう言うと俺の目の前で誰かが止まり足音が消える。
その出会いさえなければ、
俺は静かに眠ることができていたのだろう。

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