第15話

あの手
20,808
2017/12/31 22:49
(ドサッ)
乱暴にベッドに投げ出される。
(ガンッ!!!)
あなた

うっ…痛…ッ……

その拍子に、あなたは頭をぶつけてしまった。
テテ
え…あなた…?
意識が遠のいていく。


テテが何か言っているが、視界がぼやけ、何も聞こえなくなっていった。








───ふわふわとした気分のなか、あなたはぼんやりとしていた。
ふと見ると、誰かがベッドの横で手を握っている。
 " あなた、ごめんな。愛してる。 "
そう囁いたのが聞こえた──────







あなた

ん…ッ……はぁ…

目が覚めると、頭が冷やされていて、もうほとんど痛みはなかった。
周りを見渡してみるが、誰もいない。
(誰だったんだろ…?)
思い当たるのは、テテかジョングクかジミン__
そっと握るあの手は、ものすごく優しかった。
そんなことを思っていると、扉が開いた。
ジョングク
ヌナ?大丈夫??
ジョングクが、ベッドのそばまで駆け寄ってくる。
あなた

グク、心配してくれてありがとうね。

ジョングク
ヌナが頭ぶつけて気失ったって聞いたから…びっくりして…
ジョングクは、あなたの手を握った。
その手はとても優しかった。
しかし___
(あの時の優しい手とは違うな…)
ジョングク
ヌナ…?どしたの?
あなた

ん?あ、なんでもないよ?ありがとう!

ジョングク
そっか、なら良かった。
まだゆっくり休むんだよ?
そう言い残し、ジョングクは部屋から去っていった。
あの時の手はジョングクではなかった。
だとしたら、残るはテテかジミン。
どちらかがあの優しい手で_
あなたはすでに、恋に落ちていた。

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