(ドサッ)
乱暴にベッドに投げ出される。
(ガンッ!!!)
その拍子に、あなたは頭をぶつけてしまった。
意識が遠のいていく。
テテが何か言っているが、視界がぼやけ、何も聞こえなくなっていった。
───ふわふわとした気分のなか、あなたはぼんやりとしていた。
ふと見ると、誰かがベッドの横で手を握っている。
" あなた、ごめんな。愛してる。 "
そう囁いたのが聞こえた──────
目が覚めると、頭が冷やされていて、もうほとんど痛みはなかった。
周りを見渡してみるが、誰もいない。
(誰だったんだろ…?)
思い当たるのは、テテかジョングクかジミン__
そっと握るあの手は、ものすごく優しかった。
そんなことを思っていると、扉が開いた。
ジョングクが、ベッドのそばまで駆け寄ってくる。
ジョングクは、あなたの手を握った。
その手はとても優しかった。
しかし___
(あの時の優しい手とは違うな…)
そう言い残し、ジョングクは部屋から去っていった。
あの時の手はジョングクではなかった。
だとしたら、残るはテテかジミン。
どちらかがあの優しい手で_
あなたはすでに、恋に落ちていた。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。