第17話

真実
19,217
2018/01/07 08:40
ジミン
ちょっとあなた?どうしたの?
あなたは、ジミンの質問にも答えず、慌てて目の前の大画面に目を向ける。
あなた

うわ…ほんとに全部映ってるんだ…

ジミン
うん…ごめんね…。
ジミンが申し訳なさそうに俯く。
あなた

いや、じみなのせいじゃないでしょ?

あなたが頭を打って倒れた日の映像を見ようと、パソコンをいじろうとするが…
あなた

やり方わかんない…

機械音痴なあなたがオドオドしているとジミンが横に来ていた。
ジミン
何するの?
あなた

あの、この日の映像が見たいんだけど…

あなたが指示すると、カチカチと手馴れた動作でパソコンを操作する。
あなた

じみな…もう慣れたんだ…!

ジミン
毎日やってるからね。はい、この日でいい?
ジミンが見せたその映像は、まさしく犯される寸前のあなたとテテの姿だった。
あなた

ありがと…

画面を真剣に見つめる。
テテが強引にベッドに投げつけ、その瞬間にあなたが頭を打った。
ジミン
え、どうなってんのこれ…。
あなた

じみな、見てなかったの?

ジミン
この時は出かけてた…。あなた、大丈夫だったの?
あなた

うん…。

頭を打ち、意識を失ったあと_
テテは正気に戻ったのか、慌てて部屋から出て行った。
(やっぱり、テテはこういう人だよね…)
そう思っていると、
あなた

…え?

画面に映るのは、氷や包帯などを持ち、慌てて帰ってきたテテの姿。
あなたの頭を冷やしたり、応急処置をしている。
その後、医者に見てもらい、一通りの処置が終わった。
その後の映像は、ずっとあなたの手を握るテテの姿。
テテ
あなた…ごめんな。こんなことするつもりじゃ…なかったのに…。
テテ
愛してる…。
そう言って、あなたのおでこにキスをする。
あなた

あの手…あの声…

全てテテだった。
優しい声も、優しい手も。
テテの優しさにやっと気がついた。
あなた

テテのところ…行かなきゃ…。

慌てて走り出そうとすると、ジミンがあなたの手首を掴んだ。
あなた

じみなッ?どうしたの?

ジミン
俺もこの恋終わらせなきゃいけない時が来たから。
そう言われ、ジミンの本気を感じ取り、あなたもまっすぐ向き直る。
あなた

はい。

ジミン
あなたは…誰が好きですか…?
あなた

私は…

──もう迷わない──
あなた

テテが好きです。

その言葉を聞くと、ジミンは握っていた手を離した。
ジミン
よし、スッキリした。頑張るんだよ、あなた?
あなた

ありがとう、じみな。じみなは本当に大切な人だよ。

そう言い残し、あなたはテテの所へと向かった。








ジミン
あれ…なんで泣いてるんだろ…。これで良かったはずなのに…。







ジミンに背中を押されてやっと気がついた。


──テテが好きなんだ──


(ありがとう…じみな…)
テテの部屋の前についたあなたは、ひと呼吸おいた。
(よし、言うぞ ッ…)

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