(またここに戻ってこれるなんて思わなかったな…)
テテの部屋を見渡し、あなたは頬の筋肉を緩めた。
しかし、あの言葉だけは忘れられなかった。
" 性欲処理器 "
頭の中でその言葉だけがぐるぐると回っていた。
テテが話そうとしたその時、
息を切らして、ジミンが部屋へ入ってきた。
テテは辛そうな、不安そうな目であなたを見つめる。
ジミンが必死に訴える。
その想いにあなたは、胸がぐっと掴まれるような感覚に襲われる。
あなたはジミンを一度傷つけた。
それでも、こんなに想ってくれていた。
そんなことを考えていると、
おもむろに、テテが口を開いた。
あなたは、思い出してまた泣きそうになる。
テテは必死に言葉を繋げる。
身体を重ねて表そうとしたこと
条件で縛りつけて、逃げないように自由を奪ったこと
全てを伝えた。
あとは一つだけ。
一番大切で、今まで一度も言えなかった事_
愛するが故に、怖くて言い出せなかったこと_
今ここで言わないと、ジミンの方へあなたは行く。
テテは顔を上げ、小さな声で、はっきり伝えた。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!