第42話

全国大会〜吹部編〜
306
2018/03/07 10:51
今日はいよいよ全国大会 in名古屋。

俺たちは昨日から名古屋に泊まっている。

今は会場に向かっている途中だ。
和也
緊張するー。
龍樹
大丈夫だよ。お前なら平気さ。
龍樹としゃべりながら、俺は3日前の会話を思い出していた。


ー3日前ー
和也
明日から会えなくなるな…
あなた

そうだね…

龍樹
うぅ、菜穂に会えないのは辛いよぉー。
菜穂
龍樹、がんばっ!
龍樹
ありがとな、菜穂。
私と和也はそっとその場から離れ、窓際に移動した。
あなた

嫌だなぁ、会えないの。

和也
そうだな。
あなた

でも、和也が頑張ってくれるならそれでいいなー。

和也
そっか、そうだよなー。
あなた

なんか軽くない?!

和也
ごめんごめん。応援してくれるあなたのためにも頑張るわ。
あなた

よろしく。

和也
合唱部の全国大会いつだっけ?
あなた

来週。

和也
その時も会えないのかー。
あなた

そうだね。

和也
来年は写真でも持ってこ。
あなた

そうだねw

_________回想終了______________________
龍樹
何ぼーっとしてんだよ。
和也
ごめん、ついあなたのこと考えてた。
龍樹
本当に好きだな。
和也
そりゃそうだよ。あんなに可愛いんだよ?
龍樹
えー?そうかぁー?
和也
お前は幼馴染だからわかんないよなw
龍樹
そういうこと。
話している間もどんどん会場に近づいている。
星矢先輩
着いたぞー。
着いた会場は去年と同じ。

なので大体の位置は把握している。
先生
トイレ行きたい人行ってねー。
みんな
はーい。
トラックから楽器を下ろす。

と、まあこんな感じで色々進んで…

いよいよ本番。

心の中にあなたの笑顔と声を思い浮かべて落ち着かせる。

先生が指揮棒を上げた。

そして…
和也
ふぅ…
パチパチパチパチ👏

いつのまにか演奏が終わっていた。

よっぽど無我夢中だったらしい。

舞台袖で、
陽太先輩
今までで一番良かったぞ。
って褒められたけど、全然実感がない。

ただただ、ベストを尽くそうとしていたのは覚えている。
龍樹
お疲れ、和也。
和也
そっちこそな、龍樹。
俺たちの演奏は1番最後だったので、この後すぐに審査休憩になる。
アナウンス
それでは、審査休憩といたします。
星矢先輩
あー、ドキドキするー。
陽太先輩
大丈夫だよ。俺らはベストの演奏ができた。あとは審査員との相性次第だな…
星矢先輩
そうだな…
およそ1時間後…
アナウンス
審査休憩を終了します。
和也
ついに…結果発表。
アナウンス
20番、音羽市立音羽中学校、ゴールド、金賞です。
龍樹
やったー!!!
陽太先輩
やったっ!!
星矢先輩
ううっ、ううっ…
俺は最後の最後に、星矢先輩の涙を見た。
和也
星矢先輩…
星矢先輩
ふぅ…和也、これからの吹部を頼んだぞ…
和也
はい。
音羽中吹奏楽部、金賞受賞!

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