ーーーーーーいつだったかな?あのクリスマスは・・・。
「実星。」
私は手を繋いでキラキラ光るクリスマスツリーをずっと眺めていた。そんなときお母さんが教えてくれた事があった。
「なに?お母さん?」
「あのツリーのてっぺんにある星🌟に願い事をすると、願いが叶うんだって。」
お母さんはキラキラした目でそういった。
「してみる?」
そう私に笑いかけたお母さんに、私は大きくうなずいた。そして願った。
『これからもずっと幸せに暮らせますように。』ーーーーーー
チュンチュン…🐦小鳥のさえずりが聞こえる。
あぁ・・・あれは7才の時だ・・・。
「実星ー早く起きなさーい。学校でしょー」
「はーい!」
下に居るお母さんに聞こえるように大きく返事を返した。
まさかあのときの願いが高校2年になった今、叶うとは思わなかった・・・。そしてこのときの私にとっての幸せは、私の思い描いた小説のせかいへ行ったらと思っていたために、その願いが新しい世界を作ったのだ。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!